抗うつ薬 TIPS

効果が出現するまで時間がかかる。
不十分な投薬量では効果も不十分。コンプライアンス大事。
セロトニン症候群、悪性症候群、せん妄、錯乱…注意。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)..だるい、のどが渇く、頭痛、吐き気、けいれん、意識もうろう
ほとんどMAO阻害薬禁忌

ジェイゾロフト:塩酸セルトラリン
SSRI:うつ病・うつ状態、パニック障害、外傷後ストレス障害
投与量と血中濃度が比例相関し、予想を超える血中濃度になる可能性は少ない。
25㎎錠、50㎎錠、100㎎錠(OD):1日1回 25㎎から100㎎ (MAX100)
MAO禁
併用禁忌:ピモジド

デプロメール・ルボックス:フルボキサミンマレイン酸塩
SSRI:うつ病・うつ状態、強迫性障害、社会不安障害
離脱症状、性機能障害の発現頻度低く、体重増加、認知機能・睡眠への悪影響も少ない。
CYP2C19,CYP1A2,CYP3A4阻害:抗不安薬、テオフィリン、ワルファリン注意
25㎎錠、50㎎錠、75㎎錠:50㎎ 分2から開始。(MAX150)小児は25㎎分1から
MAO禁
併用禁忌:ピモジド、チザニジン、ラメルテオン

パキシル:パロキセチン塩酸塩水和物
SSRI:うつ病・うつ状態、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害
離脱:急激な減量・中止は避ける。
抗うつ作用と抗不安作用を併せ持ち幅広く使われる。
(FC)5㎎錠、10㎎錠、20㎎錠:増量は1週間毎に10㎎ずつ。
うつ病・うつ状態 :1日1回20~40㎎ 夕食後。10~20㎎で開始 (MAX40)
パニック障害: 1日1回30㎎ 夕食後。 10㎎から開始 (MAX30)
強迫性障害 : 1日1回40㎎ 夕食後。 20㎎から開始 (MAX50)
社会不安障害 : 1日1回20㎎ 夕食後。 10㎎から開始 (MAX40)
外傷後ストレス障害 : 1日1回20㎎ 夕食後。10~20㎎で開始 (MAX40)

(CR)6.25㎎錠、12.5㎎錠、25㎎錠:増量は 1週間毎に12.5㎎ずつ。
うつ病・うつ状態 : 1日1回25㎎ 夕食後 。12.5㎎で開始(MAX50)
CYP2D6:タモキシフェン注意
MAO禁
併用禁忌:ピモジド

レクサプロ:エスタシロプラム シュウ酸塩
SSRI:うつ病・うつ状態、社会不安障害
12種類の新規抗うつ剤を比較したメタ解析によって、有効性と安全性のバランスが最も優れていると認められた。
10㎎錠、20㎎錠:1日1回10㎎ 夕食後。(MAX20) 増量は1週間以上あける。
QT延長
MAO禁
併用禁忌:ピモジド

サインバルタ:デュロキセチン塩酸塩
SNRI:うつ病・うつ状態、DM性神経障害に伴う疼痛、線維筋痛症・慢性腰痛症・変形性関節症に伴う疼痛。(60㎎以上で、DMや 線維筋痛症 の痛みにも効果あり)
20㎎Cp、30㎎Cp: 1日1回40㎎ 朝食後 。 20㎎から開始(Max60)1週間以上あけて20㎎ずつ増量。
MAO禁
朝食後だが、眠気に注意が必要

イフェクサーSR:ベンラファキシン塩酸塩
SNRI:うつ病、うつ状態
うつ病で三環系抗うつ薬と同等でSSRIよりも優れた効果。再発予防率も高い。
34.5㎎Cp、75㎎Cp: 1日1回75㎎ 食後。 37.5㎎から開始(Max225) 1週間以上あけて75㎎ずつ増量。 (肝機能で調整あり)
MAO禁

リフレックス・レメロン:ミルタザピン
NaSSA:うつ病・うつ状態
睡眠改善効果が期待できるが、SEとしての眠気・倦怠感でノンコンプライアンス。一過性のものであるので継続を。
SSRIより効果発現が早い。体重増加、食欲増進、眠気が多い。
薬物相互作用が少なく、効果発現が早く、食欲増進、睡眠改善で癌患者のうつ状態に適す。
15㎎錠、30㎎錠(OD):1日1回15~30㎎ 就寝前。15㎎から開始(MAX45) 1週間以上あけて15㎎ずつ増量。
MAO禁
Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant
アドレナリンα2 自己受容体遮断 → ノルアドレナリン神経活性↑
ノルアドレナリン放出↑
ノルアドレナリンがセロトニン神経のα1受容体に作用しセロトニン神経活性 ↑
ミルタザピン はセロトニン神経終末のα2ヘテロ受容体に結合しセロトニンの放出↑
(α2ヘテロ受容体はノルアドレナリンを感知するとセロトニンを抑制するが、この受容体をブロックし、ノルアドレナリンが増加してもセロトニン放出を抑制させない)
セロトニン受容体
 5-HT2A 性機能障害(SSRIと同じ)5㎎錠、
 5-HT2C 不安惹起(SSRIでかえって不安が昂じる事がある)
 5-HT3  消化器症状、悪心(デプロメールで良くある)
 5-HT1A 抑うつ作用、抗不安作用発現(セディール)
ミルタザピンは 5-HT2A、5-HT2C、5-HT3の3つには結合するが、5-HT1Aには結合しない。
したがって、SEが起きにくい。
5-HT1Aには結合しないため、セロトニンは5-HT1Aに結合し、そのアゴニスト作用により、抗うつ、抗不安作用が出現する。

アモキサン:アモキサピン
三環系抗うつ薬(第二世代):うつ病。うつ状態。
閉塞隅角緑内障、心筋梗塞回復初期
抗精神病作用があり、精神病症状を伴う重症うつ病に対して単剤でも有効。
10㎎Cp、25㎎Cp、50㎎Cp:25~75㎎数回分服。(MAX150)(特に重篤:300)
MAO禁

テトラミド:ミアンセリン塩酸塩
四環系抗うつ薬:うつ病・うつ状態
鎮静効果が強く、睡眠改善効果が期待できる。せん妄にも有用(適応外)
10㎎錠、30㎎錠:1日1回30㎎ 夕食後又は就寝前。(Max60)
MAO禁

レスリン・デジレル:トラゾドン塩酸塩
トリアゾロピリジン系:うつ病・うつ状態
抗不安作用と鎮静効果が強く、睡眠改善効果が期待できるが、眠気、起立性低血圧に注意が必要。
25㎎錠、50㎎錠:75~100㎎を1-数回分服(MAX200)
MAO禁
併用禁忌:サキナビル