全般
早期パーキンソン病の治療はレボトバ製剤で開始。
高齢者ではレボトバ製剤で開始し必要に応じて他剤を併用。
概ね65歳以下発症(運動合併症のリスクが高い)などの患者ではドパミンアゴニスト(DA)やMAOB阻害薬で開始。
事情で、早期の症状改善を優先するときにはレボトバ製剤で開始。
レボトバ製剤は最も効果が高いが、wearing-off現象や不随意運動などの合併症が生じやすい。→若年層ではDAで開始。
MAOB阻害薬はジスキネジアを増悪させやすい。
ネオドパストン・メネシット:レボドバ・カルビドバ水和物
レボドバ・ドバ脱炭酸酵素阻害薬 (DCI)
閉塞隅角緑内障
ドパミンは脳血液関門を通過できない→前駆物質レボドバ使用。
… レボドパ脱炭酸酵素 でドパミンになる。
脳内に入る前に分解されないように、ドパ脱炭素酵素阻害薬(DCI)併用する。
DCI:カルビドバ
① パーキンソン病、パーキンソン症候群
デュオドーパ:胃瘻を通じて空調へ投与
イーシー ドパール・マドパー:レボドバ・ベンセラジド塩酸塩
レボドバ・ドバ脱炭酸酵素阻害薬 (DCI)
閉塞隅角緑内障
DCI:ベンセラジド
DCIの配合量はカルビドバが10%、ベンセラジド25%
効果に大きな差はない。切り替えてもよいかも。
① パーキンソン病、パーキンソン症候群
コムタン:エンタカポン
COMT阻害薬
カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(catechol-O-methyltransferase, COMT)は、カテコールアミン類を分解する酵素の一つ 。
COMTを阻害してレボドバの半減期延長。
尿が褐色に着色されるが無害
① レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善
スタレボ:レボドバ・カルビドバ水和物・エンタカポン
合剤:L50:L50+C5+ E100 、L100:L100+C10+ E100
悪性症候群・横紋筋融解症(既往歴を含む)、閉塞隅角緑内障
① パーキンソン病〔レボドパ・カルビドパ投与において症状の日内変動(wearing-off現象)が認められる場合〕
● レボドパ・カルビドパとエンタカポンの併用投与を行っている既存治療に替えて使用
1日総レボドパ量として1,500㎎、総カルビドパ量として150㎎、総エンタカポン量として1,600㎎を超えない、また、服用回数は1日8回を超えない 。
カバサール:カベルゴリン
ドパミンアゴニスト(麦角系)
心臓弁膜に異常のある人、妊娠中毒症、産褥期高血圧
① パーキンソン病
② 乳汁漏出症・高プロラクチン血性排卵障害・高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)
③ 産褥性乳汁分泌抑制
半減期が長く持続的な効果期待できる。心臓弁膜症のためMax3㎎)
ビ シフロール・ミラペックスLA:プラミペキソール塩酸塩水和物
ドパミンアゴニスト(非麦角系)
高度腎障害
前兆の無い突発的睡眠、傾眠
① パーキンソン病
② 中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群 (ビシフロール)
ドパミンアゴニストは非麦角系を第一選択とする。しかし突発性睡眠の危険性!!
レキップ:ロピニロール塩酸塩
ドパミンアゴニスト(麦角系)
妊娠中
ドパミンアゴニストの1st。
増量は注意しながら。
前兆の無い突発的睡眠、傾眠
① パーキンソン病
ニュープロ:ロチゴチン
ドパミンアゴニスト(麦角系)
前兆の無い突発的睡眠、傾眠
貼付剤
① パーキンソン病
② 中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
ノウリアスト:イストラデフィリン
A2A受容体拮抗薬
レボトバ製剤と併用
重い肝臓病、妊娠中
運動機能の低下をもたらす脳内GABA(γ-アミノ酪酸)を分泌する神経は、ドパミンにより抑制され、逆にアデノシンA2A受容体からの刺激で興奮。
パーキンソン病ではドパミンが不足するので、アデノシンA2A受容体のほうが優勢 。
アデノシンA2A受容体を阻害し、GABA神経の過剰興奮を抑制することで、アンバランスになった神経シグナル伝達を正常化 。
① レボドバ含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるwearing-off現象の改善
エフピー:セレギリン塩酸塩
MAOB阻害薬
B型モノアミン酸化酵素(MAO-B)によるドパミン分解作用を抑制。
ジスキネジアがある場合は増悪しやすいので、使用する場合はレボドバ投与量を減量するなど。
三環系抗うつ薬、SSRI、SNRI、NaSSA、アトモキセチン、トラマドール(、タペンタドール(タペンタ)、ペチジン
中止後、三環系抗うつ薬を投与するには少なくとも14日間置く。
① パーキンソン病
(レボドパ含有製剤を併用する場合:Yahr 重症度ステージI~IV、
レボドパ含有製剤を併用しない場合:Yahr 重症度ステージI~III)
アジレクト:ラサギリンメシル酸塩
MAOB阻害薬
エフピー、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SSRI、SNRI、NaSSA、アトモキセチン、トラマドール、タペンタドール、ペチジン、リスデキサンフェタミン
セレギリン同様 非可逆的選択的MAOB阻害薬だが、1日1回1㎎で用量調整は原則不要で、覚せい剤原料としての規制もない。
① パーキンソン病
トレリーフ:ゾニサミド
レボドバ賦活剤 (ドパミンの分解抑制ならびに合成促進をもたらす )
妊娠中
進行期の患者でも幻覚、ジスキネジア等の副作用が少なく、運動症状全般を改善。特に振戦に効果が高い。
① パーキンソン病(レボドパ含有製剤に他の抗パーキンソン病薬を使用しても十分に効果が得られなかった場合)
② レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズム(レボドパ含有製剤を使用してもパーキンソニズムが残存する場合)
アーテン:トリヘキシフェニジル塩酸塩
抗コリン薬 ドパミンの低下にともない、アセチルコリン系の神経が強まっている状況
閉塞隅角緑内障、重症筋無力
抗パーキンソン病薬として抗コリン薬では最も汎用される。静止時振戦やその他の初期のパーキンソン症状に効果。
記銘力障害、便秘、排尿障害等を起こしやすいので高齢者注意
① 特発性パーキンソニズム及びその他のパーキンソニズム(脳炎後、動脈硬化性)
② 向精神薬服用によるパーキンソニズム・ジスキネジア(遅発性を除く)・アカシジア