ワルファリンはビタミンK作用に拮抗し、肝臓におけるビタミンK依存性血液凝固因子(Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子)の生合成を抑制して抗血栓効果発揮。
ヘパリンは分子量3000~35000の酸性ムコ多糖類の不均一な混成物で、アンチトロンビン( 血液中にある血液凝固を抑えるタンパク質 )を介して抗凝固作用を示す。
低分子ヘパリンはヘパリンを酵素あるいは化学処理後ゲル濾過して得られる分子量1000~10000の分画。Ⅹa因子阻害作用を示すがトロンビン阻害作用が軽微で、出血作用が低い。
アルガトロバン及びタビガトランはトロンビンの活性を選択的に阻害。
フォンダパリヌクス(アリクストラ皮下注)はヘパリン糖類の抗凝固最小単位であるペンタサッカライドの完全化学合成剤。ATと特異的に結合して複合体を形成し、Ⅹa因子を阻害。:間接Ⅹa阻害薬。
リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンは直接Ⅹa阻害薬。
タビガトラン特異的中和薬のイダルシズマブ。投与後直ちにタビカトランの効果をほぼ完全に中和。
3つの抗Ⅹa薬に対する共通の中和薬となるAndexanet alfa
修飾されたヒト第Xa因子分子であり、血中で、経口剤および注射で投与された第Xa因子阻害剤を特異的に標的とし補足するデコイとして作用。いったん結合すると、第Xa因子阻害剤は第Xa因子に結合して阻害することができなくなり、通常の止血プロセスが回復。andexanet alfaは、抗凝固の機序である抗第Xa因子活性を直接かつ特異的に是正する第Xa因子阻害剤に対する中和剤として研究されている唯一の化合物 。