前立腺肥大症治療薬 TIPS

α1アドレナリン受容体遮断
前立腺肥大症における機能的閉塞を治療標的。平滑筋の緊張状態の緩和。
瞳孔(虹彩・茶目)の筋肉と前立腺のまわりの平滑筋が良く似ていて、αブロッカーを長期服用している人は虹彩の筋肉も委縮 するので、 緑内障手術、糖尿病網膜症、硝子体手術などは術中出血が問題になることもある 。 IFIS(intraoperative floppy iris syndrome:術中虹彩緊張低下症候群)
全ての男性下部尿路症状の1st。
α1A、α1B、α1Dのサブタイプがあり、 、前立腺組織 や前立腺部尿道の平滑筋には α1B 受容体はほとんど見られず、血管平滑筋に多く、AかDへの選択性があれば、血圧低下の副作用が少ない
1A:シロドシン(ユリーフ)、タムスロシン(ハルナール)、1Dナフトピジル(フリバス)(タムスロシンも)、選択制なしテラゾシン(ハイトラシン)、ウラピジル(エブランチル)、プラゾシン(ミニプレス)。
選択性のないものでは、めまい、起立性低血圧などのSE多い。注意は必要。

5α還元酵素阻害薬
テストステロンのジヒドロテストステロン(DHT)への変換を抑え、前立腺腺組織の萎縮を来す。
前立腺肥大症における機械的閉塞を治療標的 。特に前立腺体積の大きい患者での効果が期待できる。
性欲低下や勃起障害、乳房障害(女性化乳房、乳房痛)
デュタステリド(アボルブ)はⅠ型、Ⅱ型の5α還元酵素の両方を阻害する。

抗アンドロゲン薬
合成黄体ホルモン:ネガティブフィードバックにより精巣からのテストステロン分泌を抑制する。
前立腺細胞に対しては、テストステロンの取り込みを阻害、DHTとアンドロゲン受容体の結合を阻害。 前立腺肥大症における機械的閉塞を治療標的 。
性欲低下、勃起障害、血栓症、肝機能障害など
クロルマジノン(プロスタール)、アリルエストレノールゲストノロン(デポスタット)
プロセキソールはエチニルエストラジオールで卵胞ホルモンで、前立腺肥大の適応はなく前立腺癌の適応。

PDE5阻害薬
前立腺部尿道におけるcGMP濃度を高めることで、平滑筋弛緩。
動脈硬化の改善やRho関連蛋白キナーゼの活性阻害の関与。
タダラフィル(ザルティア)

その他
オオウメガサソウエキス・ハコヤナギエキス配合剤(エビプロスタット)
セルニチンボーレンエキス(セルニルトン)