エゼチミブ

ゼチーア 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、 ホモ接合体性シトステロール血症

Familial Hypercholesterolaemia:FHは、LDL受容体遺伝子変異による単一遺伝子疾患 。 ヘテロ接合体とホモ接合体は、出現する症状や総コレステロールの値の程度、治療への反応性が全く異なり、その管理においても全く別の取り扱いをする必要がある 。
血漿LDLの約70%を肝臓で代謝するが、ホモ接合体患者では、肝臓でのLDLの代謝が約10%に低下 。
{ 二倍体個体において、相同な染色体ペアの双方のアレル[対立遺伝子]が同一であるとき、その座位に関してホモ接合型 (homozygous) }
シトステロール血症(sitosterolemia) は、 FH(ホモ接合体)と類似の全身性の結節性あるいは腱黄色腫を示す。
正常者では食物中の植物ステロールが腸管の細胞に取り込まれても細胞中のステロリントランスポーターが植物ステロールを腸管へ戻すことにより植物ステロールの吸収を低下させる.肝細胞のステロリントランスポーターは植物ステロールを腸管へ胆汁を介して排泄し、糞便とともに排泄される 。
シトステロール血症は,責任遺伝子座が第 2 染色体上にあるABCG5またはABCG8の変異で惹き起こされる.
果物や野菜に含まれる植物ステロールの一種であるシトステロールが便中に排泄されにくくなるため、血中また組織にシトステロールが蓄積し、黄色腫や早発性冠動脈疾患など FH同様の症状。

重篤な肝機能障害(スタチンとの併用時)

併用注意
陰イオン交換樹脂(コレスチミド、コレスチラミン)、シクロスポリン(シクロスポリンの血中濃度↑)、ワルファリン(INR↑)
スタチン併用時は肝機能などスタチンの注意事項に留意。
フィブラート系薬剤と併用する場合は,胆石症などの副作用の発現に注意する 。

スタチンで十分なLDL低下が得られない場合の併用薬として有用。
フィブラートとの併用では、スタチンより安全。

10㎎錠:1日1回食後。適宜増減。