降圧薬 TIPS

分類収縮期血圧 拡張期血圧
正常血圧120未満 かつ 80未満
正常高値血圧120〜129または80未満
高値血圧130〜139または85〜89
Ⅰ度高血圧 140〜159または 90〜99
Ⅱ度高血圧160〜179または100〜109
Ⅲ度高血圧180以上または110以上
収縮期高血圧140以上かつ90未満

「かつ/または」 と表示されているけど「または」だけでよいのでは?
収縮期高血圧はⅠ度高血圧に含まると思うけど。

主要降圧薬5種類
Ca拮抗薬・ ACE阻害薬・ARB・β遮断剤・降圧利尿薬
その他
アルドステロン拮抗薬(エプレレノン:セララ)、直接レニン阻害薬(アリスキレン:ラジレス)、α遮断薬(ドキサゾシン)、中枢作用性降圧薬(メチルドパ:妊娠高血圧)

Ca拮抗薬
ジヒドロピリジン系と非ジヒドロピリジン系。
ジヒドロピリジン系は一般にL型チャネルを遮断。N型チャネル:シルニジピン、T型チャネル:エホニジピンを同時に抑制する薬剤は、反射性頻脈が少なく腎保護作用も期待される。
L型でもアゼルニジピンは徐脈傾向。
第一世代:ニフェジピン(アダラート)、ニカルジピン(ペルジピン)
第二世代:ニルバジピン(ニバジール)、エホニジピン(ランデル)、シルニジピン(アテレック)、ベニジピン(コニール)
第三世代:アムロジピン(ノルバスク)、アゼルニジピン(カルブロック)
など
非ジヒドロピリジン系は心抑制作用が強く、冠攣縮性APや頻脈性不整脈を有するHTに良い適応。
ARB、ACE阻害、β遮断薬と相性が良い。

ARB:アンジオテンシンⅡ 1型受容体遮断薬
降圧効果強く長時間作用。SE少ない。
多面的作用が期待できる。
アルドステロンエスケープ(ブレークスルー)が生じることから、ACE阻害薬との併用の有用性。
高Kに注意。
少量の利尿剤が相性がよいが、抗アルドステロンのスピロノラクトンの併用が アルドステロンエスケープにも有効だが、Kに注意。
少量のサイアザイド系などの利尿薬は効果もあり、高K血症に予防的。
NSAIDsは効果を減弱する。
主として陸生哺乳類で塩分とそれに伴う水分の喪失により循環血流量および血圧が低下した場合に重要臓器の循環血流量を確保するために 進化した系統で 、 基本的に塩分過多の高血圧症例では降圧効果は十分でない 。 塩分制限が中心 。
ロサルタンカリウム(ニューロタン)、カンデサルタン(ブロプレス)、バルサルタン(ディオバン)、テルミサルタン(ミカルディス)、イルベサルタン(アバプロ・イルベタン)、アジルサルタン(アジルバ)

ACE阻害薬
Ca拮抗薬やARBに比べて降圧効果は劣る。他剤との併用で有効性↑
SE;咳
SH基を有するACE阻害薬には抗酸化作用が期待される。
カプトプリル(カプトリル)、エナラプリル(レニベース)、ペリンドプリル(コバシル)、デモカプリル(エースコール)など

β遮断薬
徐脈作用。  抗不整脈薬のⅡ群
糖新生を抑 制すると同時に低血糖からの回復を抑制し、低血糖の初期症状をブラインドする。
喘息や末梢動脈疾患では禁忌
β1選択性  ISA(+)アセブトロール、セリプロロール
β1非選択性 ISA(+) カルテオロール、カルビスケン
β1選択性  ISA(-)アテノロール、ビソプロロール、ケルロング、メトプロロール
β1非選択性 ISA(-)ニプラジロール、プロプラノロール
αβ遮断薬アロチノロール、カルベジロール

利尿薬
サイアザイド系利尿薬・遠位尿細管のNaCl共輸送担体を阻害。
少量で緩徐かつ安定した降圧効果があり、降圧薬として広く使われる。
トリクロロメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、インダバミド、メフルシド
ループ利尿薬・ヘンレ係蹄上行脚のNa-K-2Cl共輸送担体を阻害。
利尿作用が強く、うっ血性心不全において第一選択となる。腎機能障害があっても用量依存性に効果を発揮する。
アゾセミド、トラセミド、フロセミド、ピレタニド
カリウム保持性利尿薬・集合管で上皮性Naチャネルを阻害
単独での降圧・利尿効果は弱いが、他の利尿薬の効果を増強、SE軽減(K)
スピロノラクトン、トリアムテレン
炭酸脱水素酵素抑制薬
・近位尿細管で炭酸脱水酵素を阻害してNaとHCO3- の排泄増加。
利尿作用は弱い。緑内障、てんかん、呼吸性アシドーシス、メニエール症候群などで使用される。
アセタゾラミド
浸透圧利尿薬・尿細管内浸透圧上昇により、水・Naの再吸収を阻害。
脳圧低下を期待して、脳血管障害の急性期に使われる。
イソソルビド
ループ系利尿薬を投与すると、遠位尿細管のでのNa再吸収が増加するのでサイアザイドを加える。