ハピネス薬局

不眠症治療における今後の展望

冒頭、MSDからベルソムラの説明があった。出口の見据えた不眠治療。
BZが欧米に比して非常に使用量が多い。増加傾向にもある。本来は短期で使用するもの。
オレキシンは脳の覚醒を維持する。不眠の患者は過覚醒になっているのでそれを是正する。
反跳性不眠もほぼなし。
非力。だが、切り替え時の無効例はGABA作動薬の反跳性不眠によるところが大きい。
服用タイミングは寝付きが悪い場合は早めに服用してみる。GABA作動薬は遅めの服用が良い。
効果が長く、7時間は必要。就床時間が7時間取れない時は、持越しがおきる危険がある。(朝早いので寝ないと、というのは向かない。)

薬剤師が知っておきたい、不眠症治療における今後の展望

福山市民病院 精神科・精神腫瘍科 平 俊浩

他科医師に案内する睡眠改善薬。
ルネスタ、ロゼレム、ベルソムラ、レスリン、セロクエル
不眠のリスク
血糖上昇、高血圧、うつ、自殺、労働災害
アルコールを不眠に使うのは愚行。
対策
8時間睡眠を目差さない。
若干な遅寝と早起きが効果的。
アルコール、ニコチン、カフェインを控える。
日光を浴びる。就寝環境の検討。
昼寝は少なめに。
鑑別診断。(睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス、不規則睡眠、過眠)
合併疾患(疼痛、掻痒、頻尿)
認知症の睡眠障害には薬物療法が奏功しにくい。

せん妄
身体疾患や中毒によって生じる急性で変動する意識障害、認知症害。(多彩な精神症状)
炎症、電解質異常、循環、肝不全、がん、頭蓋内病変など、体調の低下で脳の働きが邪魔される状態。
若いときに大丈夫だった、切れ味がよかったハルシオンが忘れられず、高齢になって服用するとわけのわからない行動をとることがある。
原因薬物
離脱せん妄の原因、BZ,オピオイド
他は治療薬で体調を治すものなので問題は少ない。抗コリン、ステロイド、抗パーキンソンなど。
GABA作動薬の血中濃度と作用。健忘 > 催眠・鎮静 > 筋弛緩 < 抗不安、抗けいれん
転倒のリスクが問題。

ハイリスク患者の睡眠薬代わりとして抗うつ薬:トラゾドン
睡眠改善効果。
主観的入眠困難感の軽減。
中途覚醒時間の短縮。(中途覚醒後の再入眠)
徐波睡眠(ノンレム睡眠)時間の延長。(5HT2拮抗作用)
ハイリスク患者の睡眠薬代わりとして低力価抗精神病薬
セロクエル、コントミン
入眠困難の改善
半減期短く残りにくい。
せん妄ハイリスクの高齢者の不眠に用いられることがある。

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