ハピネス薬局

免疫


インターロイキン

白血球(leukocyte)から分泌され、細胞間(inter-)のコミュニケーション機能をはたすサイトカイン。
ILのあとに、蛋白質として同定された順に番号をつけて呼ぶ。(現在30種類以上)
免疫系の機能は多くはインターロイキンに負っており、自己免疫疾患や免疫不全の多くの難病もインターロイキンに関係する。

IL-1
マクロファージによって分泌され急性期反応を誘導する。
内因性発熱物質やリンパ球活性化因子などとして発見された。
IL-2
1型ヘルパーT細胞によって分泌されT細胞の増殖と分化を促進する。がんの免疫療法に用いられる。
Th1サイトカイン。(細胞性免疫) T細胞の増殖及び活性化、B細胞の増殖と抗体産生能の亢進、単球・マクロファージの活性化、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の増殖・活性化、リンホカイン活性化キラー細胞(LAK細胞)の誘導など。
抑制性サイトカインであるIL-10を放出して免疫抑制作用を示す制御性T細胞(Regulatory T Cell、Treg)の維持に必要?
IL-3
T細胞(Th1細胞、Th2細胞)によって分泌され骨髄幹細胞を刺激する。
(IL-18と相乗的に、肥満細胞(マスト細胞)や、好塩基球に作用して、IL-4、IL-13、ヒスタミン産生を誘導)
IL-4
Th2細胞(活性化CD4+T細胞)、マスト細胞、NKT細胞などによって産生される。
B細胞の増殖とT細胞および肥満細胞の分化に関与する。アレルギー反応で重要。
Th2細胞の増殖や分化を促進する。(液性免疫)
活性化されたB細胞に作用し、IgMから、IgG1、IgEへのクラススイッチを促進させ、IgG1抗体、IgE抗体の産生を促進する。
IFN-γの作用に拮抗し、IgG2へのクラススイッチを抑制する。
マクロファージの活性化を抑制し、NO、プロスタグランジン、IFN-γの産生を、抑制する。 (PGE2↓)
血管内皮細胞のVCAM-1の発現を増強し、リンパ球や単球の、血管内皮細胞への接着を、促進する。
dupilumabはIL-4Rαに対する完全ヒトモノクローナル抗体で、IL-4Rαを阻害することにより、Th2型免疫反応を誘発するIL-4およびIL-13の両者のシグナル伝達を調節。  喘息とアトピー性皮膚炎を対象に治験中。
IL-5
Th2細胞によって産生。(液性免疫)
B細胞を刺激してIgAを産生させ、 また好酸球を刺激する。
IL-5が作用することにより前駆細胞から好酸球へと分化誘導が引き起こされる。分化の過程を終えた好酸球に対しても、骨髄から血中への動員を行う。
アレルギー疾患である気管支喘息では気道組織への好酸球浸潤にIL-5が関与している。
メポリズマブ:ヌーカラ:IL-5のモノクローナル抗体。
重症好酸球性気管支喘息、アトピー性皮膚炎、特発性好酸球増加症候群(HES)、好酸球性食道炎、鼻茸、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)、COPDに対して有効。
IL-6
T細胞やIL-1により刺激された単核食細胞(単球/マクロファージ)、血管内皮細胞、線維芽細胞、ケラチノサイトなどから産生されるレクチン。(液性免疫) 脂肪細胞から分泌される。
マクロファージを刺激して急性反応を誘導する。(感染および創傷の後で起こる反応に直接関与)
造血や炎症反応などにおいて重要な役割を果たすサイトカイン。
B細胞や形質細胞(プラズマ細胞)を増殖させ、IgG、IgM、IgAを産生させる(抗体産生増強)。
T細胞の分化や活性化にも関与する。
肝細胞に作用し、CRP、ハプトグロビンなどの急性期蛋白を誘導する。
関節リウマチ患者の関節液中に、著明に増加している。
トシリズマブ:アクテムラ:IL-6のモノクローナル抗体。
関節リウマチ(RA)や全身型若年性特発性関節炎の治療に。
IL-7
血球系細胞に限らず骨髄や胸腺、皮膚、肝臓など多くの組織の間質細胞によって産生され、細胞の生存、増殖および分化などの過程に関与している。
B細胞、T細胞、NK細胞の生存、分化、ホメオスタシスに関与する。
CD4+、CD8+の増殖作用。CTL、LAKの生成を誘導。
IL-2を介して機能している(かも)。
IL-8
単球、リンパ球から産生される。
好中球の走化性を誘導する。
好中球のみならず、好塩基球、T細胞の遊走活性、骨髄より末梢血への好中球の動員、好中球活性化など炎症反応に関与する。
通常、最初に抗原を見つけるのはマクロファージで、他の細胞を動員するため最初にIL-8を放出する。
IL-9
T細胞(Th1細胞、Th2細胞)、好中球、好酸球により産生される。
肥満細胞を刺激する。増殖促進。
IL-10
Th2細胞、単球、マクロファージ(Mφ)、B-1細胞(自然抗体のIgM、IgG3、IgAを産生する)、マスト細胞(肥満細胞)、ケラチノサイトなど、多くの細胞から産生される。
樹状細胞を抑制することによって、Th1サイトカイン産生を阻害する。
Th1細胞からのINF-γ産生を抑制する。
マクロファージからのIL-1、IL-6、Il-12、TNF-αの産生を抑制する。
マクロファージのT細胞活性化補助機能も、抑制する(IL-10は、T細胞のMHCクラスII分子や補助受容体の発現や、マクロファージのCD80/CD86の発現を抑制する)
幹細胞、マスト細胞、胸腺細胞の増殖の促進、細胞障害性T細胞の発達促進、B細胞の分化、IgG分泌。
IL-12
主に食細胞と樹状細胞で産生される。(単球/マクロファージ、Bリンパ球、結合組織肥満細胞)
NK細胞刺激因子
IFN-γ誘導因子:IL-12は、NK細胞やNKT細胞を活性化させ、IFN-γ産生を誘導する。
抗原提示細胞が分泌するIL-12は、ナイーブヘルパーT細胞(Th0細胞)を、Th1細胞に分化させる。
Th0細胞が、IL-12受容体を発現することが、Th1細胞への分化には必須。このTh1細胞への分化の際、T細胞表面のCD28と、樹状細胞表面のCD80/CD86とが、相互作用する。
抗原提示細胞がL-12を分泌するには、T細胞とのCD40/CD154(CD40L)共刺激(CD40-CD154 interaction)と、IFN-γが必要。
葛根湯は、マウスの実験結果では、インフルエンザ感染時に、IL-12の産生を増加させ、肺インフルエンザウイルス量を減少させ、IL-1の産生を抑制し、発熱や関節痛など、インフルエンザの症状を軽快させる。
IL-13
活性化Tリンパ球より産生する。
B細胞の増殖と分化を刺激しイムノグロブリンの産生刺激。Th1細胞を阻害し、マクロファージの炎症性サイトカイン産生を促進する。
IL-17
CD4+T細胞より誘導。
炎症性サイトカインの産生を誘導する。リウマチ
組織の恒常性において重要。(関節軟骨、骨、脳、造血組織、腎臓、肺、小腸など)

などなど。IL1,IL2,IL4,IL5,IL10,IL12,IL13 がポイント。特に4,5。最近では18、21も

免疫グロブリン

IgG
ヒト免疫グロブリンの70-75%。
IgG1は65%程度、IgG2は25%程度、IgG3は7%程度、IgG4は3%程度で血管内外に平均して分布。
ヒトの胎盤を通過できる唯一のアイソタイプであり、自分の免疫系を確立する生後1週間までの間、胎児を守っている。
ウイルス、細菌、真菌など様々な種類の病原体と結合し、補体、オプソニンによる食作用、毒素の中和などによって生体を守っている。
今まで侵入したことがない抗原が、体内に侵入した場合、IgMの次にIgGがつくられる(一次応答)。
その後、再び同じ抗原が侵入した場合、今度は大量のIgGがすみやかにつくられる。このときのIgGの産生は、一定の期間続く(二次応答)。
(IgG4関連疾患:リンパ球とIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤と線維化を特徴とし、臨床的には高IgG4血症、高IgG血症、高IgE血症などを認めるとともに、同時性あるいは異時性に全身諸臓器の腫大や結節・肥厚性病変などを認める原因不明の疾患)
IgM
ヒト免疫グロブリンの約10%を占める、基本の4本鎖構造が5つ結合した五量体の抗体である。分子量は970,000。通常血中のみに存在し、感染微生物に対して最初に産生され、初期免疫を司る免疫グロブリンである。
B細胞に存在する抗体のクラス(アイソタイプ)の一つ。赤血球のABO式血液型の由来となるA抗原、B抗原に対する主な抗体もこれに属するもの。またヒトの持つ中では最もサイズが大きな抗体でもある。抗体は無脊椎動物には見られず、軟骨魚類以降の脊椎動物で見つかっており、IgMのみがそのすべてで共通に見られる。
とても大きな分子であるため拡散しにくく、少量が間質液中に存在し、ほとんどは血清中に存在する。多量体であるため、親和力が大きく、補体活性も高い。
抗IgG自己抗体(リウマトイド因子)、同種血球凝集素(抗A抗体、抗B抗体)、グラム陰性菌がもつO抗原に対応する抗体など。
抗原が侵入したときには、IgMが最初につくられる。このことにより、IgMがつくられているかを確認することで、その感染症が初感染であるかを判断できる。
IgMはIgGのように胎盤を通過できない。そのため、IgMが新生児の血清にて確認された場合、その新生児が子宮内感染を起こしている疑いがある。
IgA
ヒト免疫グロブリンの10-15%を占める。分子量は160,000。分泌型IgAは2つのIgAが結合した二量体の抗体になっている。IgA1は血清、鼻汁、唾液、母乳中に存在し、腸液にはIgA2が多く存在する。
分泌型IgAは初乳中に含有され、新生児の消化管を細菌・ウイルス感染から守る働きを有している(母子免疫)。
分泌型IgAは、粘膜における感染防御を担当している。また、分泌型IgAを多く含むものには、唾液・涙・母乳といった液体や、気道・消化管・泌尿器などの粘膜があげられる。
IL5、IL6によりIgA産生能を持つ形質細胞に分化。
IgD
ヒト免疫グロブリンの1%以下の単量体の抗体である。B細胞表面に存在し、抗体産生の誘導に関与する。
扁桃腺および上気道にある抗体を産生する形質細胞から放出され、呼吸器系の免疫に作用している。IgDはB細胞の膜型抗体として発現し、IgMの次に現れるが、免疫のクラススイッチの通過点として重要。
IgE
ヒト免疫グロブリンの0.001%以下と極微量しか存在しない単量体の抗体。寄生虫に対する免疫反応に関与していると考えられるが、寄生虫の稀な先進国においては、特に気管支喘息やアレルギーに大きく関与している。
哺乳類にのみ存在。
Erythema(紅斑)を惹起するということに由来してE。
マスト細胞表面受容体上のIgEに抗原タンパク質が結合すると、IgEが抗原を架橋するような形になり細胞内顆粒中に貯蔵されているヒスタミンなどの放出が行われ炎症反応を促進。
ヒスタミンは血管透過性を亢進させることにより急性炎症を促進する。
ロイコトリエンやサイトカイン、ケモカイン等の分子は、炎症性細胞を動員し遅延型反応に関与。気管支喘息等のアレルギー性疾患の患者では血清中IgE濃度が高値を示す。

体液性免疫と細胞性免疫

リンパ球には、T細胞と、B細胞がある。
T細胞には、ヘルパーT細胞(CD4抗原陽性)と、キラーT細胞(CD8抗原陽性)がある。
ヘルパーT細胞にはTh1細胞とTh2細胞とがある。
ナイーブヘルパーT細胞(ナイーブTh細胞:Th0細胞)は、抗原提示細胞が、
IL-12を産生するとTh1細胞に(細胞性免疫)。
PGE2を産生すると、Th2細胞に(液性免疫)。
生体の抗酸化能が低下する(抗酸化物質が減少する)と、Th1細胞より、Th2細胞が優位に働くと考えられる。
ビタミンC(90mg/日)、ビタミンE(20mg/日)、β-カロテン(0.75mg/日)などの抗酸化物質は、Th2細胞優位の状態を改善すると考えられる。
アラキドン酸(脂質や、肉類に含まれる)の過量摂取は、PGE2の生成を促進させ、Th2細胞細胞優位にして、アレルギー体質にするのかも知れない。
菌体成分(Pathogen-associated molecular pattern:PAMP)は、樹状細胞に作用し、Th0細胞(ナイーブTh細胞)のTh1細胞への分化を促進し、Th1細胞優位の状態にし、アレルギー体質を改善する。納豆、ヨーグルト、などの食材を摂取すると、アレルギー体質が改善される?
Th1に傾けば自己免疫疾患、Th2に傾けばアレルギー疾患になる。

Th1細胞
Th1細胞は、IL-2、IFN-γ(IgE抗体の産生を抑制する)、TNF-α、TNF-β、GM-CSF、IL-3(注1)を産生し、T細胞や、単球など貪食細胞の活性を高め、細胞性免疫(ツベルクリン反応など)に関与する。
リンパ球やマクロファージなど単核細胞中心の炎症反応が起る。真菌のクリプトコッカスに対する免疫応答では、Th1細胞が優位に働くと、強固な肉芽腫が形成され、感染が局所に封じ込められる。
Th1細胞が産生するIFN-γは、Th0細胞(ナイーブTh細胞)のTh1細胞への分化を、促進させる。
IL-2を産生し、キラーT細胞やNK細胞などを活性化させ、細胞性免疫を活性化させる。
B細胞にIgGを産生させ、Ⅱ型アレルギーやⅢ型アレルギーをおこさせる。
IFN-γも産生するので、Th2細胞のCD40リガンド(CD40L)発現を抑制し、IgE抗体産生を抑制する。
ウイルス感染では、1型インターフェロン(IFN-αとIFN-β)が産生される。1型インターフェロン(Type-I IFN)は、T細胞に作用し、IFN-γやIL-10を産生。
細菌感染では、2型インターフェロン(Type-II IFN)のIFN-γが産生され、Th1細胞が誘導される。 細胞内寄生性細菌(結核菌、サルモネラ菌、リステリア菌など)による感染症では、主に、Th1細胞が誘導され、Th1細胞から産生されるIFN-αにより食細胞(マクロファージ)が活性化され、また、Th1細胞から産生されるIL-2によりCD8陽性キラーT細胞が活性化され、殺菌等が行われる。
Th2細胞
Th2細胞は、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10、IL-13を産生し、液性免疫(抗体産生)に関与する。
IL-10は、Th1細胞からのIFN-γの産生、IL-12の産生を抑制する。
Th2細胞が産生するIL-4や、IL-6は、Th0細胞(ナイーブTh細胞)のTh2細胞への分化を、促進させる。
Th0細胞が、Th2細胞に分化するには、IL-4より、アラキドン酸から生成されるPGE2の方が、重要と考えられている。
Th2細胞は、抗原提示細胞として、B細胞から抗原刺激を受けても、増殖する。
真菌のクリプトコッカスに対する免疫応答では、Th2細胞が優位に働くと、炎症性細胞浸潤が極めて乏しい。液性免疫では、クリプトコッカスなどの細胞内寄生菌を殺せない為、肺胞腔にクリプトコッカスが充満して、感染が、容易に血行性に広がって、髄膜炎などを発症する。
IL-4を産生し、CD40リガンドを介して、B細胞を活性化させ、I型アレルギーを引き起こすIgE抗体の産生を促進させ、液性免疫を活性化させる。
Th2細胞の産生するIL-4や、IL-10は、Th1細胞の反応を抑制する。
IL-4やIL-10の産生が盛んな状況では、細胞性免疫が抑制され、リステリアや癩菌(らい菌:ハンセン病の原因細菌)の感染が、重症化する。
Th17細胞
関節リウマチや多発性硬化症といった自己免疫疾患を起こす原因はIL-17で、それを作るのはTh1、Th2とは別のThでこれをTh17とした。
ナイーブT細胞からTGF-βおよびIL-6という2つのサイトカインの刺激により誘導される。
IL-17は、線維芽細胞や上皮細胞、血管内皮細胞などに作用して、炎症性サイトカインやケモカインを産生させ、好中球の遊走を促進する。
Th-17が過剰に働くと炎症性の自己免疫疾患の原因になる。(節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患)
Th-17は抗原に対し特異的に反応するわけではなく、貪食細胞である好中球を活性化させ。好中球は異物とみなすものは全て排除する。
Th17はTh1/Th2の働きをさらに進める免疫のアクセル。
Treg細胞
免疫寛容を司るT細胞。免疫のブレーキ。
ナイーブT細胞からTGF-β単体の刺激により誘導される。
Tregが優勢になり過ぎるとTh-17は抑制され、感染にかかりやすくなったりがん細胞の増殖を抑えられなくなる。
Th1/Th2はハンドル。 Th17/Tregはアクセルとブレーキ。

体液性免疫
T細胞が対応する抗体をB細胞に作らせる。抗体は、
中和抗体:細菌などが出す毒素を中和して無力化する。
オプソニン化:好中球など貪食細胞の食欲能をUPさせる。
ただし、抗体は、血液や体液の中を流れている細菌などとは違い、一度感染してしまった細胞や癌化してしまった細胞には抗体が結合することができない。細胞内には入れない。
細胞外の異物には体液性免疫。
アレルギー型 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ
細胞性免疫
感染してしまった細胞や癌化してしまった異常細胞を破壊。細胞障害性T細胞、NK細胞
NK細胞はTh1によらない、自然免疫の主要因子として働く細胞傷害性リンパ球。MHCクラスI分子の発現レベルが低い細胞を認識して非自己とする…
細胞障害性T細胞(CTL)はCD8分子を発現しているT細胞から分化。異物の抗原ペプチドを提示する細胞に対する特異的な細胞傷害活性を持つ。
樹状細胞のみが単独でこの活性化を行うことができる。
NK細胞が見落としたものも攻撃でき、また記憶もされる。
細胞内の異物には細胞性免疫。
アレルギー型 Ⅳ

Ⅰ型アレルギー
即時型。IgEが関与することで引き起こされるアレルギー。
気管支喘息:(肥満細胞、好塩基球から出るLTにより、強烈な気管支収縮が起こる)
アレルギー性鼻炎・花粉症:(鼻粘膜の肥満細胞、好塩基球から出るヒスタミンにより、血管拡張・血管透過性亢進→白血球遊走→むくみ(鼻づまり)、知覚反射→くしゃみ、鼻水)
蕁麻疹:(食物、刺激により皮膚の肥満細胞、好塩基球から出るヒスタミンなどが、かゆみ、炎症を起こす)
アトピー性皮膚炎:(蕁麻疹と同じだが、セラミドの不足による皮膚バリア機能の低下によるアレルゲンの進入しやすさ、Th2に偏り易い、IgEが産生しやすい体質。Ⅳ型アレルギーもからむ。)

Ⅱ型アレルギー
細胞傷害型。自分の細胞表面が抗原として認識されてしまい、抗体(IgM、IgG)が産生され自分の細胞が攻撃される。
自己免疫性溶血性貧血:(赤血球表面に対する抗体が原因)
重症筋無力症:(ACh受容体に対する抗体が原因)
橋本病:(チオグロビン、ミクロソームに対する自己抗体が原因)
バセドウ病:(甲状腺刺激ホルモンレセプターに対する抗体が原因。Ⅱ型はさらに細胞を刺激するものをⅤ型(刺激型)として分類され、バセドウ病は甲状腺を刺激することからⅤ型アレルギーに属する。)

Ⅲ型アレルギー
アルサス型。可溶性抗原とIgGとの反応で起こるアレルギー。可溶性抗原は自分が産生し体液に溶けている。
関節リウマチ:(溶性抗原はリウマトイド因子)
SLE:(可溶性抗原はリウマトイド因子およびDNA。ただし、これはSLEの一部分)

Ⅳ型アレルギー
遅延型。1日とか2日の時間を要する。
液性免疫は関係なく、T細胞、マクロファージらが関与する細胞性免疫が深く関係するアレルギー。
Th1の活性化→IL-2、IFN-γなどの産生→マクロファージや好中球、NK細胞による異物の処理の過程で起こる炎症。
Th2の活性化→IL-5の産生→好酸球による異物の処理の過程で起こる炎症
感作が成立している状態では、成立していない場合に比べて炎症の度合いが大きい。
Th1経路を経るⅣ型アレルギーは、ツベルクリン反応。赤く腫れた人は、一度結核菌に罹患したことのある人で、赤く腫れなかった人は今まで結核菌に罹患したことがなく、結核菌に対する感作T細胞が作られていなかった人
Th2経路を経るⅣ型アレルギーは、アトピー性皮膚炎の炎症。感作Th2細胞の出すIL-5は、即時型アレルギー(Ⅰ型アレルギー)が進行した後、好酸球性炎症を進行させ、炎症を悪化させる。
(ツベルクリン注射でかなり赤く腫れてしまった人はアレルギー体質になりにくい)
アトピー性皮膚炎:(IgEが通常より多いため、肥満細胞、好塩基球から産生される好酸球走化性因子(LTB4、PAFなど)が多いとともに、好酸球の低親和性IgEレセプター(FcεRⅡ)を刺激しやすい状況となる。好酸球はこの刺激により顆粒内から主要塩基性タンパク質、酸性タンパク質、ペルオキシダーゼ、活性酸素らを放出して細胞を傷害する。)
接触性皮膚炎:(塩化ピクリルら重金属、ウルシ、ゴムなどを皮膚に塗布すると、抗体は産生されず、ランゲルハンス細胞によりT細胞に提示され感作が成立、その後再度侵入したときに起こる炎症反応である。)

ハピネス薬局082-299-3089広島市南区翠5-17-15
漢方について HOME 薬の備忘録