ハピネス薬局

調剤と情報 2016/09 Vol22-12

1minTest

甲状腺T4の日内変動:午前4時にMax.、午後6時にMin.

DPP-4阻害薬:低血糖防止の点から最も使いやすく、処方数も第一選択薬になっている。

重症腎機能障害患者:SU薬、メトホルミン、SGLT2阻害薬は使用しない。

シックデイ:尿ケトン陽性血糖が 350 mg/dl以上のときなど速やかに受診する。

小児中耳炎:少なくとも 3日間 薬剤を投与して効果をみる。

PAE:(Post Antibiotic Effect)抗菌薬が微生物に短時間接触した後に持続してみられる増殖抑制効果。

濃度依存性殺菌作用と長いPAE:AUC/MIC or Cmax/MIC、キノロン系、アミノグリコシド系

時間依存性殺菌作用と短いPAE:Time above MIC、ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系

時間依存性殺菌作用と長いPAE:AUC/MIC、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、テトラサイクリン系、バンコマイシン

交代制勤務睡眠障害:夜勤を含む変則勤務従事者の 20~40%

甲状腺

機能低下症の検査:アキレス腱反射時間、ECG、LDL、基礎代謝率(BMR)、血中T4・T3、遊離型T4・T3(FT4・FT3)、TSH

TSH:甲状腺刺激ホルモン(0.34~4.04μIU/ml)

トリヨードサイロニン:FT3(2.36~5.00pg/ml)

サイロキシン:FT4(0.88~1.67ng/ml)

分泌される大部分はT4。T3は極めて効果が高いが、T4を投与して、それから生成されるT3で補う。

甲状腺T4の日内変動:午前4時にMax.、午後6時にMin.なので1日2回投与の場合、朝に多く夕に少なめにするのがより生理的。

過剰な場合、

循環器症状
心悸亢進、脈拍増加、不整脈、狭心症(老人は低用量から)。
代謝促進作用
体温上昇、基礎代謝増加、発汗。
精神神経症状
振顫、不眠、頭痛、めまい、神経過敏、興奮、不安感、躁鬱。
胃腸症状
食欲不振、嘔吐、下痢。
全身症状
筋肉痛、肩凝り、皮膚紅潮、脱力感、体重減少、月経障害。

相互作用:T4を吸着してしまうような薬剤は内服時間をずらすなどする。(アルミニウム含有制酸剤、コレスチラミン、鉄剤)

ワルファリン
クマリン系抗凝結薬の作用を増強する。甲状腺ホルモンがビタミンK依存性因子の異化を促進する。
交感神経刺激薬
作用を増強するのでIHDでは冠不全のリスクが増大する。
強心配糖体
甲状腺機能亢進状態ではジゴキシン濃度が低下し、甲状腺機能低下状態では上昇する。併用する場合はモニター必要。
血糖降下薬
糖代謝全般に作用し血糖値を変動させる。
フェニトイン
T4の血中濃度を低下させる。甲状腺ホルモンの異化を促進する。

DM治療薬注意点

低血糖防止の点からDPP-4阻害薬が最も使いやすい。メトホルミンも低血糖を起こしにくいが腎機能が低下した高齢者では使いにくい。

メトホルミンはeGFRが30以下は投与禁忌で45前後から投与量を減ずる。

重症腎機能障害:SU薬、メトホルミン、SGLT2阻害薬は除外。

腸閉塞既往:α-GI薬は除外。

心不全:チアゾリジン系(ビオグリダゾン:アクトス)は除外。

SU薬のうち、グリペングラミド(オイグルコン・ダオニール)は膵β細胞作用特異性が低く、心血管平滑筋にも影響があり且つ作用時間も長いので高齢者には使用すべきでない。

シックデイ:発熱下痢嘔吐などDM以外の体調不良により、普段通りの生活ができなくなることで血糖コントロールが難しくなった状態。

食欲低下により食事が摂れないだけでなく、侵襲により神経系、免疫系、内分泌系が相互に作用しストレス性高血糖が誘導される。
3大要因は、インスリン分泌低下、インスリン抵抗性の増大、糖新生とグリコーゲン分解の亢進。

ストレスによりアドレナリン、ノルアドレナリン、グルカゴン、コルチコイド、成長ホルモンが分泌され血糖値を上げる。

侵襲下では膵臓β細胞からのインスリン分泌は低下する。

炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、TNF-α)がインスリン受容体の感受性を低下させる。

食事摂取量が低下していても高血糖であることが多いが、インスリンやSU薬で低血糖が起こり得る。

対応

脱水を防ぐ。経口補水液が望ましい。
消化の良い食事を摂る。(炭水化物の補給。おかゆ、うどんなど)
インスリン注射は自己判断で中止しない。(SMBGで自己調整が望ましい)
経口血糖降下薬、GLP-1作動薬は種類や食事摂取量に応じて減量・中止。

内服薬管理の原則

SU・グリニド系
食事量が1/2程度であれば半量に、1/3以下なら中止
αグルコシダーゼI
消化器系に影響を及ぼすので中止
ビグアナイド
脱水時にアシドーシスを来す可能性ありシックデイは中止。
DPP-4I
食事が全く摂れない時や、下痢・嘔吐が続く場合は中止。 通常通り、食事が摂れていれば継続可能。
チアリジン
食事が全く摂れない場合は中止。
食事が摂れていれば継続可能。
SGLT2I
脱水を来しやすくケトン体の上昇も危惧される。
併用などで低血糖も起こしやすく中止。
GLP1
消化器症状があるときや食事量が1/2以下のときは中止。
血糖値が高値であればインスリンへの切り替えを考慮。

睡眠薬注意点

夜間途中覚醒時の薬剤の服用は、依存形成のリスクになる上に、持越しの危険がある。

アルコールと併用するとSE発現率が高まる。とりわけ、前方性健忘が生じやすく、事故が生ずることもあり避けるべき。

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