ハピネス薬局

調剤と情報 2017/02 Vol23-03

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7.0未満:合併症予防のためのHbA1cの目標値。

気虚:元気が出ない、気力がない体がだるいなど気が不足した状態。

延胡索:安中散の構成生薬で茴香とともに胃酸分泌抑制。

乾皮症:高齢者が冬になると乾燥して痒い→当帰飲子

黄芩:肝機能障害に注意。

治療抵抗性統合失調症:クロルプロマジン換算600mg以上4週間使用しても反応なし。

モルヒネ:重度腎機能障害時は原則投与を避ける。

エボロクマブ:家族性の高LDL-コレステロール血症に適応。
ヒトプロ蛋白質変換酵素スブチリシン/ケキシン9型(human proprotein convertase subtilish/kexin type9:PCSK9)をターゲットに創薬されたヒト抗PCSK9モノクローナル抗体製剤。
LDL受容体を減らす方向に作用するPCSK9の機能を阻害し、LDL-C濃度を低下させる。
スタチン投与下で、さらに非常に強力なLDL-C低下作用。(70%程度↓)
家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia:FH)および既存薬で十分な治療効果のなかった心血管系イベント発症リスクの高い高LDL-C血症患者に対し、SEの少ない効果的な治療。

プラリア皮下注60mg:骨粗鬆症治療薬。6か月に1回皮下注。
デノスマブ:RANKL(Receptor Activator of NF-κB Ligand)阻害薬。
RANKLとは破骨細胞の分化・活性化・生存に必須である破骨細胞分化促進因子のことで、デノスマブはRANKLと特異性に結合し破骨細胞の作用を阻害。
前立腺癌、乳癌、肺癌などでは公立で骨に転移。転移した骨部位では破骨細胞の活性が亢進し骨吸収が異常亢進する。
ランマーク皮下注120mg:多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変。
4週間に1回120mg皮下注
プラリア皮下注60mg:骨粗鬆症。
6週間に1回60mg皮下注

デノタスチュアブル配合錠:沈降炭酸Ca/コレカルシフェロール(天然型ビタミンD)/炭酸Mg配合錠。
RANKL阻害薬投与に伴う低Ca血症の治療および予防。
製造中止の新カルシチュウD3の復刻。
多発性骨髄腫による骨病変や固形癌骨転移による骨病変において、デノスマブ投与時の重篤な低Ca血症の発現を軽減のため、1日1回2錠

糖尿病薬

インスリン:膵ランゲルハンス島β細胞で生成・分泌。
門脈を通り肝臓から肝静脈を経て全身に。 インスリン感受性のある肝臓、筋肉、脂肪組織などのインスリン受容体に結合し、ブドウ糖の細胞内への取り込み、エネルギー利用・貯蔵、蛋白質の構成、細胞増殖の促進。

インクレチン:十二指腸および近位小腸粘膜にあるK細胞からGIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)が 遠位小腸および大腸を中心にあるL細胞からGLP-1(Glucagon-like peptide-1)が食事刺激によって分泌され、膵β細胞において細胞内cAMP濃度を上昇させて、グルコース依存的にインスリンを分泌。

腎臓での糖代謝:糖新生や尿細管でのグルコースの再吸収によって糖代謝を調節している。
糖新生の75~80%は肝臓。残りの20~25%は腎皮質。糸球体では通常180gのグルコースが濾過され、うち90%がSGLT2で、残り10%がSGLT1により近位尿細管で再吸収される。
DMではSGLT2の発現増加により再吸収閾値が高まっているため高血糖になりやすい。
グルコースは糖輸送担体と呼ばれる膜蛋白によって細胞内に取り込まれる。
糖輸送担体
①:GLUT(glucose transporter):濃度勾配による促進拡散型輸送。肝臓、膵β細胞、腎臓、小腸。
②:SGLT(sodium glucose cotransporter):ナトリウム・グルコース共役輸送体。近位尿細管細胞の血管側に存在しNa+/K+ATPaseによって形成されたNa勾配を利用して、濃度勾配に逆らってグルコースとNa+を共役輸送する。

治療薬

SU
膵β細胞膜状のK+チャネルに存在するSU受容体(SUR)に結合し、KATPチャネルを閉じ細胞膜電位を脱分極させることで、細胞外Ca2+を細胞内に取り込みインスリン分泌を促進する。
グリペンクラミド・グリメピリド・グリクラジドなど
グリニド
速効型インスリン分泌促進薬。
作用機序はSU薬と同じ。吸収と消失が速く、食後高血糖を改善し、日内変動の少ないコントロールが可能。
必ず食直前に服用。レバグリニド(シュアポスト)はSUR1受容体だけでなくSUR2受容体にも結合して強力。
αGI
α-グルコシダーゼ阻害薬。
多糖類はα-アミラーゼにより二糖類に、小腸粘膜のα-グルコシダーゼにより単糖類に分解。
α-グルコシダーゼ阻害薬は糖質の吸収を穏やかに。単独では低血糖を起こさない。
アカルボース・ボグリボース・ミグリトール
ミグリトールは小腸上部でのα-グルコシダーゼを阻害する一方、その約半量が小腸上部で吸収されるため、 小腸下部に移行するに従い薬効が弱まって糖質が消化・吸収されやすくなり,血糖上昇ピークの遅延が認められる。 上部小腸からのGIPの分泌を抑制し,下部小腸からのGLP-1の分泌を促進させる効果もある。GIPによる脂肪細胞への脂肪取り込み作用にブレーキがかかり,GLP-1による食欲抑制作用を増強する可能性があることから,抗肥満作用が期待できる。
ビグアナイド
肝臓でミトコンドリアのAMPキナーゼを活性化し糖新生を抑制する。
消化管からの糖吸収抑制や末梢組織でのインスリン感受性改善作用、脂質改善作用をもつ。
重大なSEとして乳酸アシドーシス。脱水に要注意。(利尿剤、SGLT2) 吐き気、下痢、筋肉痛。
チアゾリジン
肥大化した脂肪酸をアポトーシスにより減少させ、小型脂肪細胞を増加。
肥大脂肪細胞からはインスリン抵抗性を惹起する遊離脂肪酸、TNF-α、レジスチンなどが分泌され、インスリン感受性を良くするアディポネクチンの分泌は低下している。
SEとして浮腫心不全には禁忌。
DPP-4阻害
GLP-1作動薬も同様。
インクレチンを不活性化するDPP-4を選択的に阻害して活性型GLP-1濃度およびGIP濃度を高め血糖値低下させる。
GLP-1作動薬は膵β細胞膜上のGLP-1受容体に結合し、グルコース代謝により生じたATPからcAMPの産生を促進しインスリン分泌促進。
血糖依存的にインスリン分泌を促進し、単独では低血糖、体重増加を起こしにくい。
GLP-1作動薬は、胃排泄運動抑制、中枢性食欲抑制作用による食欲抑制による食事量減少、体重減少。
SGLT2阻害
腎近位尿細管のSGLET2阻害によりグルコース再吸収を抑制。
エネルギー減として脂質を分解する割合が増え、体重減少。
腎機能低下者では効果が低下する。
尿中ブドウ糖排泄により、浸透圧利尿作用で尿量が増え、脱水傾向に。
尿糖増加により、尿路感染症、性器感染症。また発疹などの皮膚症状が起きやすい。

Schizophrenia

シゾと言われるが、実際には skìtsəfríːniə。

単剤治療が基本。ポリファーマシーで良いことはほとんどない。

いろいろな症状があるので、都度対応すると多剤になる。
気分安定化薬も短期的には良い。BZも興奮状態に短期的には良いが、それぞれ肥満、認知機能低下などSEが問題となる。

統合失調症はやめれば再発を繰り返すのでコンプライアンスの確認が大事。

第二世代で錐体外路は減ったが代謝系のSEは増えている。

脱水から熱中症、悪性症候群。ペットボトル症候群にも注意。(糖尿病ケトアシドーシス)

漢方・胃腸症状

慢性胃炎

痛みがあり、空腹時の場合は胃酸過多が考えられる。食後にキリキリ痛んで痛みが間欠的な場合は腸の蠕動運動による場合が多い。

胃の痛みには安中散。実証でストレスの強い場合は四逆散をプラス。

虚証で秋口から冬にかけて胃が痛む(冷えて胃が痛む)場合は、乾姜が配合された人参湯で胃を温める。

下痢を伴う場合は、附子の配合された真武湯でも良い。両方飲むのも可。

何となく調子が優れず食欲もない場合は四君子湯。術後で体重が落ちた場合など。

二陳湯を加えた六君子湯は機能性胃腸症に用いられる。胃が膨張しないために胃もたれ、空腹感の欠如が起きることを改善し、食欲増進もある。

暴飲暴食による胃痛、胃もたれには半夏瀉心湯。(黄芩による肝機能障害、間質性肺炎注意)

繁用処方

胃酸が多い胃炎。
がっちりした人のストレス性胃炎。
冷えると腹痛を起こす虚弱者の胃炎。
食欲不振を伴う胃炎。舌苔はないか薄い。
胃もたれを伴う胃炎。舌苔がある。
腹鳴、口内炎があり、時に下痢を伴う胃炎。

食欲不振

全身倦怠感を伴うような食欲不振には補中益気湯。人参黄耆を含み、十全大補湯と並ぶ補剤。

夏バテの場合は清暑益気湯。五味子の酸味が特徴。

寒いと食欲が出ない場合は、人参湯。

何となく特に誘因のない食欲不振は四君子湯。

胃もたれや空腹感の欠如を伴っている場合は六君子湯。

繁用処方

全身倦怠感を伴う食欲不振。
夏バテの特効薬。
冷えて食欲不振になる場合。
一般的な食欲不振。
胃もたれを伴う食欲不振。

下痢・腹痛

全身倦怠感を伴うような食欲不振には補中益気湯。人参黄耆を含み、十全大補湯と並ぶ補剤。

繁用処方

冷えて下痢を起こす場合。顔色が悪く、下痢をすると非常に疲れるが、下痢後の痿腹痛はない。午前中の下痢が多い。
冷えて腹痛を起こす場合。
過敏性腸症候群に伴う下痢の場合。
虚弱体質の下痢の場合。腹痛や虚弱児童の体質改善にも。
小建中湯よりもさらに一層冷えている場合。

便秘

大黄:センノシドで腸蠕動を刺激。

芒硝:硫酸Mgを主成分とする塩類下剤で浸透圧を利用して便容量を増やす。

大黄甘草湯は甘草が入ることでマイルドな便秘薬となっている。

高齢者のコロコロ便は漢方では腸管の乾燥と考える。潤しながら便通をつける。麻子仁丸は麻子仁杏仁の種子の油分でもマイルドに便通を付ける。

潤腸湯は更に当帰地黄が入り血虚にも対応。

繁用処方

(大黄・芒硝) 実証で、腹満が強い場合。
(大黄・芒硝) 月経不順、月経困難、月経前のイライラがある場合など。月経前だけ便秘する場合にはそのときだけ服用してもよい。
(大黄) 一般的なマイルドな便秘薬。
(大黄・麻子仁) 高齢者でゴロゴロした便の場合。
(大黄・麻子仁) 高齢者でゴロゴロした便の場合。
大黄・芒硝の通常の下剤で腹痛やひどい下痢を来す場合。冷えると便秘になる。
小建中湯よりもさらに一層冷えている場合。腹部手術後の腸閉塞の予防に用いる。

漢方・皮膚症状

尋常性痤瘡(にきび)

実証タイプのにきびは化膿しやすく赤みが強い。

虚証タイプのにきびは白にきびで赤みが強くなく、化膿しにくい。

清上防風湯は化膿しやすい赤みの強いにきびに適応。

女性の場合、月経前にホルモンバランスの関係からにきびが悪化する。 この場合、実証なら桂枝茯苓丸、虚証なら当帰芍薬散。どちらも普段から服用すると婦人科的な症状にもよい。

背中のにきびなど顔だけでなく使われるのが十味敗毒湯。一般的な皮膚疾患の処方。

薏苡仁を加えることで効果があがる。薏苡仁にはアクネ菌を抑制する作用がある。
桂枝茯苓丸には桂枝茯苓丸加薏苡仁がある。

清上防風湯は黄芩を含み、間質性肺炎(空咳・呼吸困難)、肝障害(定期検査)に注意。

日常生活では、チョコレート、ケーキなど甘いもの、揚げ物また睡眠不足に注意。

繁用処方

化膿しやすい赤ニキビ。
一般的なニキビ。背中などのニキビにも対応。
桂枝茯苓丸加薏苡仁も。
月経前に悪化する女性のニキビ。やや実証の人向け。

湿疹

鑑別診断で白癬症を否定する必要がある。抗真菌剤での治療が必要。

湿疹には貨幣状湿疹やアレルギー性湿疹など幅広い。

難治性の貨幣状湿疹などにも十味敗毒湯。

冬に乾燥して痒くなる乾皮症には当帰飲子。

治頭瘡一方は、頭皮や顔面など首から上の湿疹によく用いられる。小児によく適応。

越婢加朮湯は、赤く腫れて皮膚がむくんだ状態。蕁麻疹などアレルギー性湿疹で使う。

当帰飲子の地黄や越婢加朮湯の麻黄が胃腸に障る、治頭瘡一方には大黄が下痢・腹痛には注意が必要。

食事など、腸内環境が大事。

繁用処方

一般的な湿疹。
高齢者の乾皮症。
主に頭部・顔面の湿疹。
赤く腫れあがった湿疹。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は即時型と遅延型のアレルギー反応が混在する病態。

夏の汗で悪化したり、冬の乾燥で悪化したり、一概には治療をまとめられない。

黄連解毒湯は全身性のかゆみ、赤みが強い場合。黄連、黄芩、黄柏、山梔子が熱を冷まして抗炎症。1
入浴後など体が温まると痒みがひどくなる場合。

白虎加人参湯は顔面中心に赤みが強い場合。石膏で熱をさまし、口渇緩和。

越婢加朮湯は皮膚の浮腫を伴い発赤、熱感が強い場合。痒疹タイプには十味敗毒湯と併用。

十味敗毒湯は赤みが強くなく、分泌物、びらん、痂皮を伴う場合

繁用処方

かゆみ、赤みが強い人の第一選択。
顔面中心に赤みが強く、のどの渇きを伴う。
皮膚の浮腫を伴い、発赤、熱感が強い場合。
分泌物、びらん、痂皮(かさぶた)を伴う場合。

漢方・風邪症状

首筋のこわばり、軟便。
咽頭痛。
悪寒・発熱。元来胃腸が弱く食欲不振を起こしやすい。
長引く咳と倦怠感。
色々な症状。桂枝湯+小柴胡湯
熱感と食欲不振。熱感に加えて食欲不振のある場合。
胸焼け、嘔気、口苦(胃酸の逆流など)。
水様鼻汁、咳。
咳のない咽頭痛。
熱感と不眠。夜の眠りが良くない。
嘔吐するほどの強い乾性咳。風邪の後に長引く咳。
喉のつまり、咳。やや神経質で痰が引っかかっているような感じが取れない。
長引く倦怠感。食欲不振や倦怠感が続く。
強い全身症状。
悪寒と倦怠感が続く。
悪寒が目立たず自覚する熱感が強くて咳がある。
(麻黄湯の桂皮を石膏に)

漢方・婦人科

基本は西洋医学でNSAIDs、低用量ピル

血の障害
便秘気味、目のくま、肩こり、口唇の色が悪い。静脈瘤など。
桂枝茯苓丸、桃核承気湯
水の障害
むくみやすい、立ちくらみ、頭痛、頭重感など。
当帰芍薬散、五苓散
気の障害
情緒不安定、いらいら、不眠、易疲労感など。
加味逍遥散、加味帰脾湯
熱・ほてり
顔のほてり、のぼせ感、いらいら、便秘、くま、肩こりなど。
桂枝茯苓丸、桃核承気湯、黄連解毒湯
熱・冷えのぼせ
躁鬱、不眠、精神不安、多夢、動悸、多汗、多弁、肩こりなど。
加味逍遥散、加味帰脾湯、柴胡桂枝乾姜湯
熱なし・冷え
月経不順、むくみ、貧血様症状、髪が抜けやすい、頭痛、めまいなど。
当帰芍薬散、温経湯

腹痛、下腹部の張りを常に訴え、月経過多、月経困難。
桂枝茯苓丸より症状が激しく、便秘。
虚証で、貧血気味で冷え性で疲れやすい。頻尿、腹痛、腰痛。
虚証で、自律神経失調症状。月経不順・腹痛。気・血の障害。
神経不安、不眠症、うつ症状など。気・血の障害。
熱を冷ます4味。いらいら、のぼせ感。肝機能注意(黄芩)
精神神経症状が強い場合。多汗、特に頭の汗。柴胡剤の中では最も虚証。
冷え性で、手掌がほてり口唇乾燥があり、下腹部が冷えて痛む。

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