ハピネス薬局

調剤と情報 2017/03 Vol23-04

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ザイティガは組織細胞内のアンドロゲン合成を阻害。

アトピー性皮膚炎における増悪の原因である乾燥には、角層に存在するフィラグリン遺伝子異常が関与している。

アトピー性皮膚炎の診断では、慢性・反復性経過の期間は、乳児では2ヵ月以上。

顔全体に塗るのに0.5g必要なときに、タクロリムス軟膏では2FTUに相当する。

ステロイド性骨粗鬆症は、ステロイドによる副作用の25%。

腎臓病患者の食事では、塩分摂取の目安を3~6gとしている。

リクラスト点滴静注液は骨粗鬆症治療に適応を有するビスホスホネート系薬剤で年に1回静脈内に点滴。

家族性地中海熱の予後に影響する最も重篤な合併症はアミロイドーシス

前立腺癌(ザイティガ)

特徴
CYP17(17α-ヒドロキシラーゼおよびC17.20-リアーゼ)の活性を不可逆的かつ選択的に阻害する。
アンドロゲンであるアンドロステンジオンとテストステロン合成を抑制。
精巣、副腎および前立腺がん細胞内におけるアンドロゲン合成を阻害し、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC:castration-resistant prostate cancer)に対して抗腫瘍効果を示す。
LH-RH製剤により、ADT(androgen deprivation therapy)を受けているCRPC患者のアンドロゲン濃度をさらに下げる。
転移があるCRPCでも有効で、化学療法に先立ち、ホルモン療法剤の使用を継続する。

用法
プレドニゾロンとの併用において、通常、成人にはアビラテロン酢酸エステルとして1日1回1,000mgを空腹時に経口投与する。
食事の影響として、高濃度となっており、副作用を避けるため、食前1時間~食後2時間の間の服用は避ける。
糞中に排泄されるので肝機能障害者には慎重。重度は禁忌。
CYP17阻害作用により、糖質コルチコイドであるコルチゾールの合成が減少する。
フィードバックにより、ACTH濃度が上昇するため、鉱質コルチコイドを持つステロイドの濃度が上昇し、高血圧、低K血症、体液保留などの可能性がある。これらを予防するためにプレドニゾロンを併用する。

アレルギーマーチ

増悪のポイント
①免疫異常、②かゆみ、③バリア機能異常(乾燥)
特に皮膚の乾燥。角層に存在するフィラグリン遺伝子の異常がAD(atopic dermatitis:アトピー性皮膚炎)に重要。

アレルギーマーチとは、一つのアレルギー疾患を契機に誘導されるアレルギー疾患群。
Th2免疫応答が関与すると考えられるが詳細不明。
ファーストステップとしてADが存在し、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、喘息などを誘導する。

フィラグリン遺伝子の異常がアレルギーマーチの誘因に重要。
エアロアレルゲンの経皮感作マウスでは全身のTh2免疫応答が誘導されアレルギー性鼻炎が誘導されやすくなる。
さらに、AD皮膚炎マウスは経気管支によるアレルギー反応が誘導されやすくなる。1
ヒトでは、重症AD患者の70%がその後、喘息およびアレルギー性鼻炎を併発。フィラグリン遺伝子変異をもつAD患者は、喘息に罹患する可能性が高い。また治療が難渋する。
食物アレルギーの発症リスクを高める。ピーナッツアレルギーのリスクにも関与。ピーナッツのアレルゲンは花粉などのエアロアレルゲンと交差性を認める。
しかし、2歳児の卵アレルギー、小児喘息には相関が認められない。フィラグリン遺伝子の異常に免疫の変調が加わることでアレルギーマーチが誘導されると考えられている。

角層(皮膚の最外層)では細胞は脱核し、死んだ角化細胞は落ち葉を敷き詰めたように重層化する。10層からなる角層hじゃ表面から順に垢として剥がれ落ちる。
フィラグリンは角層の主要な構成成分の一つ。その働きは強度や柔軟性、水分保持、皮膚のpH、生体内化合物へのバッファー作用など。繊維間凝集物質として働くのでフィラグリンがない状態では経皮水分喪失量(TEWL:transepidermal water loss)が上昇する。
外層部でフィラグリンはさらに分解し、アミノ酸、ウロカニン酸などの天然保湿因子(NMF)になる。NMFは角層における水分保持量を担保し、pHを維持し、バッファー効果を有する。表皮細胞の正常分化を促し、病原性細菌の集落形成を減少させる。
フィラグリンを増やすことも検討されており、注目されている。

プロアクティブ療法、リアクティブ療法。
症状が出たときに治療するリアクティブ治療と症状の出る前から予防的に治療するプロアクティブ治療。
よくなってからが大事で、保湿剤は毎日。ステロイド或いはタクロリムスは毎日からよくなった後、週に3回、週2回と減らし、週1回の塗布。

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