新しい下剤が増えています。
スインプロイク
0.2㎎錠
一般名:ナルデメジン トシル酸塩
適用:オピオイド誘発性便秘症(OIC)
用法:1回0.2mgを1日1回
禁忌:消化管閉塞若しくはその疑いのある患者,又は消化管閉塞の既往歴を有し再発のおそれの高い患者
注意:CYP3A阻害剤:イトラコナゾール,フルコナゾール等
CYP3A誘導剤:リファンピシン等
P-糖蛋白阻害剤:シクロスポリン等(血中濃度が上昇、血液脳関門への影響により,脳内濃度のおそれ)
SE:下痢
備考:CYP3A4で代謝
P-糖蛋白の基質
機序:オピオイド鎮痛薬の鎮痛作用は,主に中枢のμオピオイド受容体。
血液脳関門の透過性を低下させること等を目的として側鎖が付加されたモルヒナン骨格を有する化合物。
中枢におけるオピオイド鎮痛薬の作用は阻害しにくいようにデザインされた末梢性μオピオイド受容体拮抗薬(peripherally-acting mu-opioid receptor antagonist: PAMORA)
アミティーザ
24μgCp
12μgCp
一般名:ルビプロストン
適用:慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
用法:1回24μgを1日2回,朝食後及び夕食後に経口投与
禁忌:ヘルニア等による腸閉塞が確認されている又は疑われる患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
注意:なし
SE:下痢,悪心,腹痛,胸部不快感
備考:小腸。癖になりにくい。電解質異常や大腸黒皮症(メラノーシス)の副作用もない。
機序:クロライドチャネルアクチベーター
小腸内輸送改善作用
腸液分泌促進作用
腸管粘膜上のClC-2クロライドイオンチャネルを活性化し、小腸腸管内腔へのCl-輸送により浸透圧を生じさせ腸液の分泌を促進。その結果、便の水分含有量が増え柔軟化、腸管内輸送がうながされ便秘が改善。
リンゼス
0.25mg錠
一般名:リナクロチド
適用:慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
便秘型過敏性腸症候群
用法:0.5mg(2錠)を1日1回、食前に経口服用
症状により0.25mgに減量
禁忌:機械的消化管閉塞又はその疑いがある患者
注意:CYPの基質にはならない。
P-糖蛋白の基質にもならない。
SE:重度の下痢
備考:大腸。腸管の水分吸収を妨げるという毒性あり。
下痢をおこさないように食前。
機序:腸粘膜上皮細胞に存在するグアニル酸シクラーゼC受容体を刺激し、細胞内のサイクリックGMPの濃度を増加させることにより、腸内への水分分泌を促進し、また腸の蠕動を活発にする。(コレラ菌, 毒素原性大腸菌, ペスト菌などの腸管感染菌と同じ)
ストレスや大腸炎によって引き起こされる大腸痛覚過敏を改善する作用もある。
グーフィス
5mg錠
一般名:エロビキシバット
適用:慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
用法:10mg(2錠)を1日1回食前に経口服用
最高用量は1日15mg
禁忌:腫瘍による腸閉塞、ヘルニアによる腸閉塞等腸閉塞が確認されている又は疑われる患者[腸閉塞を悪化させる恐れがある]。
注意:胆汁酸製剤、アルミニウム含有制酸剤、コレスチラミン、コレスチミド
P-糖蛋白質の阻害作用:、ジゴキシン、ダビガトラン、
ミダゾラム:機序不明
SE:腹痛、下痢、腹部膨満、吐き気
備考:大腸(回腸)。食前(食事の刺激により胆汁酸が放出されるより前に投与)
朝食後の方が血中濃度が低かった。血中に入る必要がないので食前。
機序:胆汁酸の再吸収に関わる胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害し、大腸内に流入する胆汁酸の量を増やし、胆汁酸の働きにより、大腸内で水分がより多く分泌され、さらに大腸運動が促進されることで排便が促進。IBAT阻害剤。
新しい下剤。薬価も高め。