名 称
丁子 (チョウジ)
Latin Name
Caryophylli Flos
基 原
フトモモ科の常緑高木(チョウジノキ)の花蕾を乾燥させたもの
分 類
散寒薬
中 医 学
温中降逆・温腎補陽・(温裏薬)
用 途 等
しゃっくり、激しい嘔吐、歯痛
薬理作用
消化器系への作用・抗炎症作用・抗菌 抗ウイルス作用・突然変異阻害作用・活性酸素生成抑制作用・メラニン生成阻害作用・鎮痙作用
能書・説明
丁子 チョウジ
モルッカの丁子、バンダのナツメグ、インドとセイロンのシナモンの3つはスパイスのビッグスリーといわれる。丁子はモルッカス(Moluccas)の原産で、古くはモルッカ群島及びフィリピンのミンダナオ島南部に栽培があった。18世紀に原産地から持ち出され、世界各地で栽培されるまでは、他地域でその原植物を見ることはなく、モルッカ群島が香料群島といわれるくらいに丁子及びニクズクの2大香料がここから産出された。香料としての丁子は、紀元前既にインドをはじめ中国、ローマに渡来し、その名が知られ、中国では226~220B.C.頃の文書に記載を見る。中国の著述家によると前漢時代(202B.C.~A.D.8)、既に丁子は利用されており、当時の廷臣が皇帝に話しかける前に息を綺麗にするため、これを噛むのが習慣であった。
現在の解釈は蕾を丁子(丁香)、果実が母丁香である。乾燥した花蕾は釘状を呈し、その形状から“丁子”の名称が付けられている。丁子はオイゲノールを主成分とし、辛い刺激性の焦臭に近い匂いと味を持っている。薬用としては強壮、食欲増進、健胃、駆風、腹痛、歯痛などに応用がある。モルッカの5島など、きわめて限られた地域にだけ良く生育する。それらの地域でも、だいたい海岸線に近い潮風の届く範囲内に限られ、特殊な気象と風土条件を必要とする。高さ4~7m、まれに12mに達する。