名 称
天南星 (テンナンショウ)
Latin Name
Arisaematis Tuber (Arisaematis Rhizoma)
基 原
サトイモ科マイヅルテンナンショウなどのコルク層を除いた塊茎
分 類
化痰薬
中 医 学
去風解痙・燥湿化痰
用 途 等
去痰
薬理作用
(去痰・鎮静・抗痙攣作用)
能書・説明
天南星 テンナンショウ
テンナンショウ類は日本国内でも非常に種類が多い。薬用種としては中国に分布するArisaema amurense Maxim., A. erubescens Schott種及びマイヅルテンナンショウArisaema heterophyllum Blumeを主とし中国では他に2~3種を基原種とする生薬の流通がある。マイヅルテンナンショウは山野、丘陵地の陰湿地に自生する多年生草本である。高さ60~120cm。この仲間の地下部はすべて扁球形の塊茎があり、ときに副芽である子球をつける。塊茎から20~40cmの葉柄を持つ1個の葉を直生する。5~7月に葉柄より長い花茎を出し、独特の仏炎苞に包まれた肉穂花序一個を頂生する。塊茎のコルク層を除いたものを薬用とするが、中国四川省、貴州省、河南省などからの生産品である。生薬の形状はやや偏圧された不整球形或は偏球形でしばしば数個の塊茎が集合した形を呈し、高さ1~3cm、径1.5~7cm、外面は類白色、灰褐色、淡褐色、上部には茎の跡がくぼみとなり、その周辺には根の跡がくぼんで点状の痕跡となっている。塊茎の周辺には、球状の副芽がある。質は堅く折りにくく、断面は白色で粉性である。去痰、鎮痙、発汗などに用いられるとの報告もあるが、輸入される3トンの使用は五十肩に効がある二朮湯など漢方薬への配剤で使用される。したがって、日本へはマイヅルテンナンショウ系統のもの或いは近縁の種類が輸入されているものと解釈する。