口渇、排尿障害

中枢抑制作用・抗腫瘍作用・筋弛緩作用

 小麦 ショウバク
紀元前4500～4400年には既に小麦属の植物が栽培されたと言われる。中国では2000前程前から伝わる。パンコムギの発生はBC5000年トランスコーカサスからと仮定される。BC2000年にインドに伝わり、ここからビルマを経て雲南省、四川省の道を通って中国に入った。メキシコ、エチオピア、チベットなど3000m～3700mの高所で栽培され、わが国へは4～5世紀に朝鮮半島を経て伝来し、そして奈良時代以降に栽培が急に普及されたものと思われる。『名医別録』に「客熱を除き、煩渇、咽燥を止め、小便を利し、肝気を養い、漏血、唾血を止め、婦人を妊娠し易くする･･」との解説が残る。コムギTriticum aestivum Linne´は最も古く日本に渡来した穀物の一つで、パン、菓子、味噌、醤油、麸などを作る原料として食用し、稈は屋根を葺いたこともあり、麦藁細工、帽子製造、製紙原料などにも応用がある。栽培する2年生草本である。茎は中空で所々に膨れた節を有し、節と節間が明瞭に見られる所謂稈がある。稈は2～3本集合して生え、高さ1m内外で真っ直ぐに立ち、中空の円柱形である。葉は茎の周囲に二列に並び、第一葉は左側、第二葉は右側と左右交互に生える。多くの小穂状花序が幾段にも重なってできている複穂状花序で、1個の小穂状花序は短い花軸に4～5個の花が付き、その外側に舟状をした2枚の頴、外側に外殻があり、その頂端に芒がある。生薬は穎果、長円形で両端は尖り、長さ約6mm、径1.5～2.5mm。