名 称
山査子 (サンザシ)
Latin Name
Crataegi Fructus
基 原
バラ科サンザシまたはオオミサンザシの偽果
分 類
駆瘀血薬
中 医 学
消食化積・去瘀行滞
用 途 等
肉食などによる消化不良
薬理作用
鎮痛作用
能書・説明
山査子 サンザシ
通常、生薬としてはCrataegus pinnatifida Bunge(山)、オオミサンザシC. pinnatifida Bunge var. major N. E. Brown(山里紅)を北山Fとして、サンザシC. cuneata Siebold et Zuccarini(野山)を南山として各々の偽果をそのまま又は横切し生薬とする。オオミサンザシは落葉高木で、高さ6mに達する。果実はやや球形、赤熟し、径1~2cm。全面に小さい褐色の細点がみられる。果肉は緻密である。果実は花床がふくらんだものであり偽果である。10月上旬に収穫を開始する。黒龍江省など東北地区、河北省などで栽培され、生産が多い。野山査は落葉低木で高さ1~2m、果実は球形~扁球形で径1~1.2cm、紅色或いは黄色。河南省、湖北省など、山野に野生し、わが国にも自生がある。日本には幕府直轄の麻布御薬園に山子の苗を配下された記録があり、享保の初めころに入手したものと思われる。生薬は球形で径1~2.5cm、外面は鮮紅色~紫紅色で光沢がある。表面には灰白色の小さな斑点が見られる。頂端には花萼が残り、茎部には果被の残痕がある。果肉は黄白色、切面には5~6個の種子を含む。質は堅くわずかににおいがあり、味は酸っぱく、甘い。健胃、整腸で消化促進作用があり、啓脾湯に配剤。ジャムや砂糖漬けにした菓子類に利用される。同属種も多く、省毎に甘粛山、湖北山、遼寧山、雲南山等と呼称され、流通もある。