名 称
山椒 (サンショウ)
Latin Name
Zanthoxyli Fructus (Zanthoxyli Piperiti Pericarpium)
基 原
ミカン科サンショウまたはその他同属植物の成熟果皮で、果皮から分離した種子をできるだけ除いたもの
分 類
散寒薬
中 医 学
温中・止痛・去湿・駆回
用 途 等
腹の中の冷えや痛み
薬理作用
環状ヌクレオチドに対する作用・抗腫瘍活性・免疫活性作用・局所麻酔作用・子宮に対する作用・蛋白質消化に対する作用・血流増加作用・抗菌作用
能書・説明
山椒 サンショウ
山地や丘陵地に生える落葉低木である。葉や果実を食用とする目的で、庭などでも栽培している家庭もある。若葉はお吸い物やあえ物に用い、果皮は蒲焼などの香辛料に、果実を漬物として、材はよくスリコギとして利用される。高さ3~5mに達し、よく分枝する。花は黄緑色で、4~5月枝の先に小さな円錐花序をつける。萼があり花弁は欠く。果実は楕円状球形の朔果で、表面は油点による凹凸が見られ、径約5mm、熟するにしたがって、緑色→緑黄色→紅色に変色し、赤紫色に熟する。7月中下旬の果実が充実し果皮が濃緑色の時期に収穫される。生薬は通常2個稀に3個、基部で結合した長さ約1cmの果柄に付いている。各分果はほぼ球形、径5~7mm、両片に開裂している。果皮の外面は赤紫色~赤褐色、無数の凹点がある。種子がないものが良いが、存する種子は黒褐色で球形である。特異のにおいがあり、味ははなはだ辛辣で清涼感がある。薬用とする山椒はアサクラサンショウ(朝倉山椒)を基原としトゲを持たない栽培品種で但馬の朝倉谷(兵庫県養父郡八鹿町)に産するものを良品として扱った。さらに、丹波や丹後ではこの枝を接ぎ木して苗木とし出荷していた。完全な栽培品種で、香辛料として利用される。また同じ栽培品種にアサクラサンショウから派生した系統にブドウサンショウがある。果実の粒が大きく、豊産性で生薬として好まれる。健胃、胃腸カタル、胃拡張等芳香性健胃薬として知られる。