名 称
枇杷葉 (ビワヨウ)
Latin Name
Eriobotryae Folium
基 原
バラ科ビワの葉
分 類
化痰薬
中 医 学
化痰止咳・和胃止嘔滞
用 途 等
飲食の不摂生による嘔吐、熱証の咳嗽、皮膚病
薬理作用
抗炎症作用・利尿作用・鎮吐作用
能書・説明
枇杷葉 ビワヨウ
中国からの伝来植物であるが、日本への渡来は古い。『延喜式』『和名類聚抄』に出典を見る。白楽天の詩や『群芳譜』に、そして室生犀星の「枇杷の花」に記述されたり、絵の題材にされるなど、樹形、葉、花、果実何れも鑑賞価値のあるものとされている。日本では各地で栽培され、中国長江流域及び長江以南の各省で、特に浙江省、福建省、江蘇省に多く見られる。四川省の大渡河流域、湖北省の長陽、恩施等に野生の原生林が見られる事から、この付近が発祥とされる。ビワEriobotrya japonicaは常緑の小高木、高さ6~12m。葉は短い柄を有し互生、披針形、倒卵形及び長楕円形、長さ12~30cm、幅3~9cm、先端は急に尖り、基部は楔形で葉片には鋸歯がある。10~12月に枝先に長さ10~16cmの円錐花序を多数付ける。花は白色、萼片、花弁共に5枚、自家受精又は虫媒によって結実する。果実は偽果で、一般に食している部分は花托が肥厚したものである。6~7月の果実を採集する頃に収穫するのが良い。通常、天日乾燥させる。生薬ビワヨウの上面は緑色~緑褐色、下面は淡緑褐色を呈し、淡褐色の綿毛を密生、葉脈部は淡黄褐色で下面に突出している。葉の下面に見られる、綿毛は単細胞毛で太さ約25μm、長さ1.5mmに達する。茂木、田中、長崎早生、瑞穂、津雲などの品種がある。
鎮咳、去痰、清涼健胃薬の役割で漢方薬に配合され、又、浴湯料としても用いられる。