名 称
牛蒡子 (ゴボウシ)
Latin Name
Arctii Fructus
基 原
キク科ゴボウの果実
分 類
辛涼解表薬
中 医 学
疏散風熱・去瘀止咳・清熱解毒
用 途 等
咽喉部の塞がり、腫脹、疼痛
薬理作用
子宮筋収縮作用・抗腫瘍作用・PAF拮抗活性作用
能書・説明
牛蒡子 ゴボウシ
ゴボウ又はゴンボウと呼ばれるが、大根、昆布、蒟蒻、牛蒡、蓮根とコンの付くものは人の根気を養い、我々の副食物として欠くべからざるものとなり賞味される。豊富な食物繊維が含まれており、便通を良くしたり血糖値を下げる働きも持ち合わせ、動脈硬化予防などに用いられる。原産はアジア中部~ヨーロッパでヨーロッパ、アジアに5種程が分布、北アメリカでは野生化しているという。一般的には各地で栽培される2年生草本である。日本には約1000年前に中国から渡来したが、栽培されているものは全て日本で改良されたものである。花期は6~7月、果期は7~8月である。
ゴボウArctium lappa Linne´の果実を牛蒡子と呼び、薬用に用いる。その他の漢名に“牛房”、“悪実”、“大力子”が使われる。品種が多く瀧野川、砂川、大浦、堀川、梅田等、各土地で育った呼称があり、育成、保存されている。生薬としての大差はないが、横切面、汚白色で充実し、味が善く、油様性のものが良い。利尿、解毒作用のほか、咽喉部の腫痛などに有効とされ、かんの強い傾向のある小児の神経症、慢性扁桃腺炎、湿疹に効がある柴胡清肝湯並びに分泌物が多く、かゆみの強い慢性の皮膚病に効果がある消風散に配剤される。国内で栽培されていても薬用として種子を収穫することはほとんどなく、中国東北地区、江蘇省、浙江省等から輸入され、使用される。