名 称
白芷 (ビャクシ)
Latin Name
Angelicae Dahuricae Radix
基 原
セリ科ヨロイグサまたはその変種の根
分 類
辛温解表薬
中 医 学
去風解表・止痛・消腫排膿・燥湿止滞
用 途 等
頭痛、頭部の固い腫れもの
薬理作用
中枢興奮作用・脂質代謝改善作用・インターフェロン誘起作用・育毛作用・発症プロモーター拮抗作用
能書・説明
白芷 ビャクシ
『神農本草経』中品に「婦人の漏下赤白、血閉、陰腫、寒熱風頭が目を侵し涙出るもの肌膚を長じ、顔色を潤澤にする。面脂を作るによし・・」、また『名医別録』では「風邪久渇、嘔吐、兩滿、頭眩、目癢を療ず。膏薬に作るによし。」と記述。又『名医別録』に“白”と書き、ビャクシと呼称。李時珍は「徐が初めて生じた根幹をとなす、と述べており、白の意義はこれによったのだ」と解説している。『本草會誌』に「白和名ヨロヒグサ又ウマゼリト云和産アリ、漢種上品、享保中種子ヲ傳テ今官園ニ多アリ形状和産ニ同シテ香氣ツヨシ八月實ヲ蒔翌年秋掘取ベシ、一年ニテハ根小ニシテ用ルニ堪ズ、春植テ二年ニ至レバ花ヲ開テ根堅シ季秋ニ至テ悉ク朽ナリ故ニ八月ニ植テ翌年掘取ヲ佳トス」と国産品を奨励。原植物ヨロイグサAngelica dahurica(Fisch.)Benth. et Hook.は中国東北部、東シベリア、朝鮮半島及び我が国の山地に自生する多年生草本。夏に茎の先端並びに枝先に複散形花序を出す。1700年代に大和地方(宇陀郡)を中心に栽培が始まった“大和白”が本邦の地道生薬として知られるが、昭和40年代に入って減少し、現在、奈良県、北海道に若干残るのみで、市場で流通する多くは韓国及び中国産である。中国浙江省などで生産する“杭白”、河南省などで生産する“禹白”、河北省安国などで生産する“白”が知られる。