名 称
竜胆 (リュウタン)
Latin Name
Gentianae Scabrae Radix
基 原
リンドウ科トウリンドウなどの根及び根茎
分 類
清熱薬
中 医 学
清熱燥湿・瀉火定驚
用 途 等
食欲不振、消化不良、腹痛
薬理作用
抗アレルギー作用・胃液分泌作用・胃運動作用・腸運動作用・利胆作用
能書・説明
竜胆 リュウタン
リュウタンは既に1~4世紀の頃、常用の薬品として使用され、『神農本草経』の上品に収録、『新選字鏡』には「太豆乃久左(龍の胆草)」の記載が、『本草綱目』で「葉は龍葵のやう、味は胆のやうに苦い、それに因んだ名称だ・・」と釈明し、以降の各本草書にも「骨間の寒熱、驚癇、邪気を主どる・・」、そして苦味薬としての薬能及び原植物にはリンドウなどの種類を使用する経緯の詳述がある。リンドウの仲間は日本各地にも見られるが世界に約500種の分布を数え、濃青色、青紫色、紫色、白色と色彩豊かな花色を醸し出し、秋を代表する植物として、花卉園芸、盆栽、生け花での応用がある。生薬となる基原種は中国黒竜江省、吉林省、遼寧省に分布が多く生産がある。トウリンドウGentiana scabra Bungeは中国東北部を中心とした各地及び朝鮮半島に広く分布する多年生草本。花は9~10月、数個茎の先端或は上部の葉腋につく。花蕚は鐘形、先は5枚の裂片に分かれ、花冠は筒形で鐘形、先は5裂する。生薬は不整円柱状の短い根茎の周囲に多くの細長い根を付けたものである。弱いにおいがあり、味は極めて苦く、残留性である。尚竜胆として使用される種類に条葉竜胆G. manshurica Kitagwa、三花竜胆G. triflora Pallasが東北地区に産し、生産があり、流通される。同様の効果を示す漢方薬に配剤されている。また堅竜胆、紅花竜胆、菅花竜胆、頭花竜胆が四川省、貴州省、雲南省に産出するが、日本への輸入はない。