名 称
粳米 (コウベイ)
Latin Name
Oryzae Semen (Oryzae Fructus)
基 原
イネ科イネの殻粒で、籾を去った玄米
分 類
補気薬
中 医 学
補中益気・健脾和胃・除煩渇・止瀉痢
用 途 等
口渇
薬理作用
血糖降下作用・脱水抑制作用
能書・説明
粳米 コウベイ
原植物イネはアジアのモンスーン地帯における重要な食糧作物で熱帯アジア住民の主食として欠かせぬもの。コムギ、オオムギ、トウモロコシ等とともに世界各地で生産される重要な穀物である。高緯度、且つ標高が高い地域での育種が可能で、多地域で栽培が行われている。アジアの暖温帯から熱帯に分布する野生種Oryza perennisを起源とするものといわれる栽培種で、イネ種及びアメリカイネ種の2種類がある。イネはインド型イネOryza sativa subsp. indicaと日本型イネO. sativa subsp. japonicaの2系統に大別される。日本でのイネの利用は縄文末期頃から稲作文化をもった人々が日本に移住し、イネ栽培を始めたのが稲作発祥とする説がある。当初九州地方に始まり、中国、四国、近畿、関東、奥羽地方に広まったと考えられる。草丈は50~100cm。イネの穂は複総状花序、穂軸の節から1次枝梗を出し1次枝梗の節から2次枝梗を出し、その先に小穂を付ける。小穂の数は1次枝梗の先に5~6個、2次枝梗で2~4個。米粒としての発達は受精後20~25日位。生薬とする粳米は所謂うるちまいのことででんぷん質からなり、組成はアミロースが15~30%、アミロペクチンが70~85%で占められる。なるべく1年以上を経過した晩米が良いとされる。粳米としての働きは元気を増し、喉の渇きを止める。血液の循環を良くし、内臓の働きを補い、筋骨を丈夫にする効果がある。