名 称
菊花 (キクカ)
Latin Name
Chrysanthemi Flos
基 原
キク科キクまたはシマカンギクの頭花
分 類
辛涼解表薬
中 医 学
疏散風熱・明目・清熱解毒・平肝陽
用 途 等
眼疾患
薬理作用
中枢抑制作用・解熱効果・心臓に対する作用・好中球貧食亢進作用・毛細血管抵抗性増強作用・呼吸に対する作用
能書・説明
菊花 キクカ
現今ではキクChrysanthemum morifolium Ramatulle及びシマカンギクC. indicum Linne の2種が公認され、頭花を薬用として用いている。『神農本草経』で「諸風の頭眩、腫痛、目が脱けるやうに覚えて涙の出るもの、皮膚の死肌、悪風、濕痺、久しく服すれば血気を利し、身體を輕くし、老衰に耐へ天年を延べる…」と収録されるなど眼疾患、風熱、頭痛を治し、リウマチでの効果など、漢方薬に配剤される。両種は通常栽培される多年生草本では高さ60~150cm、は高さ25~100cmで茎は直立する。収穫は霜が降りる前後10月上旬から中旬が良い。原産地は中国で、安徽省、河南省、浙江省など各省からさまざまな形態での流通がある。産地により調製を異にし以下の種類が知られる。
★亳菊:安徽省亳県が主な産地、陰乾した製品。
★貢菊:安徽省歙県が主産地、生を晒した製品。
★貢菊:安徽省歙県が主産地、焙った製品。
★杭菊:浙江省桐郷、海寧、嘉興を主体に生産がある。蒸して晒した製品。
★懐菊:主産地は河南省北部武陟、温県一帯で四大懐薬の1種として古くから尊ばれる河南省を代表する薬材。生を晒した製品。
中国では古来四君子(蘭、竹、菊、梅の4種を君子の気品をもつものとして重要視された)の1つであったし、日本でも桓武天皇の延歴16年(798)より前にすでに伝来して、いろいろの美しい園芸品種が作りだされている。