名 称
葛根 (カッコン)
Latin Name
Puerariae Radix
基 原
マメ科クズの周りの皮を除いた根
分 類
辛涼解表薬
中 医 学
解肌退熱・透疹・生津止瀉・滋潤筋脈
用 途 等
うなじや背中のこわばり、呼吸困難を伴う発汗
薬理作用
解熱作用・鎮痙作用・降圧作用・血小板凝集阻害作用・消化管運動亢進作用・血糖降下作用・サイクリックヌクレオチドに対する作用・プロスタグランジン合成阻害作用
能書・説明
葛根 カッコン
「萩の花尾花葛花撫子の花女郎花また藤袴朝顔の花」は秋の七草を表し、「足柄の箱根の山に延ふ葛の・・」のように『万葉集』の中でも多くを詠まれ、その他『古今和歌集』『枕草子』にも出てくるなど、クズ(葛)は“久須加豆良”“玉蔓”の名を以て古くから一般に知られ、且つ、親しまれた植物である。クズの根は粉末にして葛粉を作り葛饅頭、葛切り、葛餅、葛桜などの菓子類に用い、葛湯にして風邪、下痢、二日酔いにと民間薬的に服用もされている。何の病気でも湯を与えてしまう滑稽な落語がある通り、“項背強”の証に応じ、方剤に配合される。日本全土各地の日当たりの良い山林の縁、野原、堤防、路傍などにはびこるつる性の多年生草本。茎の基部は木質化し、上部は幾重にも枝分かれしながら繁茂、木々や植物など色々なものに左巻きに巻きついて伸びる習性がある。7~9月頃、葉腋に多数の紅紫色の5弁蝶形花を長さ15~20cmの総状花序に密に付ける。生薬としてのはクズPueraria lobata Ohwiの周皮を除いた根を通常、一辺約0.5cmの不正六面体に切断したもの、または長さ20~30cm、幅5~10cm、厚さ約1cmの板状に縦割した状態に調製される。収穫には蔓が未だ青味があり、芯がないものを選び、蔓が赤味を帯び芯のあるものは避ける。また中国には粉と称し、でんぷん質粉性で、繊維性弱く、堅いものがある。