名 称
防已 (ボウイ)
Latin Name
Sinomeni Caulis et Rhizoma
基 原
ツヅラフジ科オオツヅラフジのつる性の茎及び根茎
分 類
利水薬
中 医 学
利水滲湿・止痛
用 途 等
関節浮腫、腹水、関節痛、リウマチ
薬理作用
抗炎症作用・抗アレルギー作用・Ca2+拮抗作用・血圧降下作用・抗体産生抑制作用・インターフェロン誘起作用・鎮痛作用
能書・説明
防已 ボウイ
“防已”は「スデニ中バの已・イ」を用いるが、「巳・ミ」「己・キ」類似の文字があり紛らわしい。中国での防已は防己(ボウキ)が用いられている。わが国ではオオツヅラフジSinomenium acutum Rehder et Wilsonを基原とするが、中国では幾つかの種類が認められる。同一物でも名称を異にしたものが流通、中国での購入には充分なる注意が必要とされる。花は7月に開花する。生薬は茎を通例輪切りにして用いられる。不斉円柱形或いは円柱形で、径1~4cm、外面は暗灰褐色で縦溝と疣状の突起がある。横切面皮部は黄褐色~黒褐色、木部は灰褐色~帯褐黄白色、木部の間に暗褐色~黒褐色の放射組織があり、灰褐色の道管と交互に配列、菊花状の紋理を呈している。ほとんど無臭で味は苦い。主に四国での生産品が使用される。水を主治する病、即ち水毒となる水分代謝の障害で起こる浮腫、関節痛、特に下肢の浮腫、腎臓、心臓障害での浮腫、リウマチに効果がある。古来この蔓草を材料にしてつづらやつづら笠を編んでいた。この蔓は丈夫で,篭やつづらを編んだのでこの名称がある。アオツヅラフジと誤認することがあるが、以下の差異が明瞭である。
・オオツヅラフジ-茎の横断面は暗褐色と灰褐色の放射状の線が表れている。 ・アオツヅラフジ-茎の横断面は灰白色である。