名 称
香附子 (コウブシ)
Latin Name
Cyperi Rhizoma
基 原
カヤツリグサ科ハマスゲの根茎
分 類
理気薬
中 医 学
疏肝理気・調経止痛
用 途 等
月経不順、生理痛、慢性胃炎、十二指腸潰瘍、みぞおちのつかえ、膨満
薬理作用
プロスタグランジン生合成阻害作用・筋弛緩作用・皮膚障害抑制作用
能書・説明
香附子 コウブシ
『名医別録』に“沙草”の名があり、香附子の名は沙草根として初めて『新修本草』に収載され、正倉院の薬物中にも現存している。その薬能は「胸中の熱を除き、皮毛を充するものを主どる。久しく服すれば人をして気を益し、鬚眉を長ぜしめる・・」と記述があり、芳香性健胃、駆血薬(浄血薬)で月経不順、血の道症、神経症などに有効な方剤に応用される後世薬の要薬となる。原植物ハマスゲCyperus rotundus Linne´は中国、朝鮮半島、日本の各地に分布、日当たりの良い川原、海辺の砂地、野原、路傍、畑に生える多年生草本で、高さ20~40cm、根茎の先に多数の塊茎を付け繁殖する。7~10月にかけて、濃茶褐色線形の花穂を各々に7~8本集合して付ける。多くは中国山東省、浙江省、四川省、河南省及び韓国から輸入されている。秋から翌年春にかけて、根茎を掘り取り、そのまま日光で半乾し、根茎と共に金網上で細根を焼き、むしろに広げて仕上げる。表面の毛を去り、晒し、沸騰した湯につけるか、蒸すなどして調製する。生薬は紡錘形~円柱形、両端は尖り、長さ1.5~2.0 cm、径5~8mm、外面は褐色~灰褐色、5~8個の不整な輪節があり、その部分に毛状になった褐色~赤褐色の繊維を付ける。切面は赤褐色~淡紅色、ろうようのつやがあり、皮部の厚さは中心柱の径とほぼ等しい。良く肥大し、内部が淡色、香味の強いものを良品とする。折ったとき、切面が黒色だったり、細いものは良くない。