名 称
山茱萸 (サンシュユ)
Latin Name
Corni Fructus
基 原
ミズキ科サンシュユの果実
分 類
固渋薬
中 医 学
補益肝腎・渋精・斂汗
用 途 等
精力減退、冷え、尿量減少、頭痛、耳鳴り
薬理作用
抗糖尿病作用(血糖 尿糖の改善など)・抗アレルギー作用・免疫賦活作用・肝障害改善作用・抗腫瘍作用・抗ウィルス作用
能書・説明
山茱萸 サンシュユ
朝鮮半島原産で、亜熱帯から温帯地域、日本、朝鮮半島及び中国長江以北、秦嶺、伏牛山以南、浙江省天目山・杭州、河南省南陽・南召等に分布し又栽培される。日本へは享保7年に朝鮮から薬用として果実がはじめて伝わったとされる。早春の花木としても栽培される落葉小高木で、高さ4~10mに達する。2月下旬から3月にかけて、葉がでる前に黄色の小さな花20~30を散形花序に着生する。これらを囲むように花序の基部には萼片或は花弁状で褐色~黄緑色を帯び、長さ6~8mm、楕円形で先が尖った4枚の総苞片がある。花弁は4枚で淡黄色~黄色。果実は液果で、5月、鮮紅色に成熟する、光沢があり楕円形を呈し、長さ15~20mm、径約8mm。果肉部分を生薬とする。果肉は紫紅色を呈し、酸味と甘味があるものに調製されたものを良質品とする。滋養、強壮、収斂薬等に用いられ、民間的には薬用酒として作られる。実生苗で開花までに6~8年かかる。古くは奈良県でも生産された時代がある。牧野富太郎博士は「日本で一般に“サンシュユ”と呼んでいるものはもともと朝鮮から渡って来たものであるが、中国から来た山茱萸とは異なるものであり、“サンシュユ”の名前をあてるのは明らかな間違いである。従って、ハルコガネバナの名前を与えたい」と主張されているが、現今、日本、韓国、中国で山茱萸として流通する生薬の原植物の基原は同種であり、同様のものを使用している。