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杏仁
薬理作用等については、㈱ツムラのデータ(漢方スクエア)を全面的に参考にして作成しています。
名 称
杏仁 (キョウニン)

Latin Name
Armeniacae Semen

基 原
バラ科のホンアンズやアンズ、またはその他近縁植物の種子

分 類
化痰薬 潤下薬 

中 医 学
潤肺止咳・潤腸通便

Armeniacae Semen

用 途 等
呼吸困難、咳嗽、息切れ、胸痛

薬理作用
ホルモン様作用・鎮咳作用・消化管運動促進作用・解熱作用・抗変異原活性作用

能書・説明
杏仁キョウニン
中国山東省、山西省、河北省付近が原産とされる中国北部の植物である。中国においては桃と共に栽培の歴史の最も古い果樹であり、紀元前1~2世紀頃中央アジア、1世紀頃にヨーロッパに伝わっている。アンズそのものの生産ではアメリカが多いが、薬用種としては中国からの生産に依存している。日本でも各地に栽培する木を見ることができるが、やはり古くから定着している信越、北陸地方で特に1500年代に始まる長野県の更埴郡森、倉科、長野市安茂里等は名高く、生産量も多い。しかし、国内での生産品は食用として改良された“平和”“山形3号”“甚四郎”等の品種が栽培される。どうしても薬用としての種子に仕上がらない。従って、原種が残る中国での生産に賄われる所以である。落葉小高木、高さ4~15m。種子は偏円形。種子の中に仁があり、杏仁と称し、薬用とする。『薬性提議』に「氣ヲ下シ結ヲ散ズ故ニ解肌治喘ノ効アリ」と解説されるが、胸間の水毒を駆逐するもので、喘、咳、呼吸困難、心下膨満、疼痛、身体浮腫等を主訴とする漢方方剤に配剤される。杏仁は表位には麻黄、裏位には茯苓の力を借りて水を逐い喘を治すとされる。果肉を生食するほか、干しアンズ、ジャム、缶詰とする。杏仁油は毛髪油、ポマード、コールドクリームの原料として用いる。遼寧省、河北省、山西省、山東省、甘粛省等に産し、生薬として生産される。近縁種にシベリア杏、東北杏がある。
Armeniacae Semen

 杏仁を含む漢方処方と配合量

27
麻黄湯 
5
51
潤腸湯 
2
55
麻杏甘石湯 
4

78
麻杏薏甘湯 
3
85
神秘湯 
4
90
清肺湯 
2

95
五虎湯 
4
119
苓甘姜味辛夏仁湯 
4
126
麻子仁丸 
2

888
清肺排毒湯 
9

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