名 称
桔梗 (キキョウ)
Latin Name
Platycodi Radix
基 原
キキョウ科キキョウの根
分 類
化痰薬
中 医 学
清肺提気・去痰排膿
用 途 等
腫れ物、のどの痛み
薬理作用
鎮痛 鎮静作用・解熱作用・血管拡張作用・抗潰瘍作用・鎮咳 去痰作用・血糖降下作用・抗炎症作用・免疫活性化作用・利尿作用・抗腫瘍作用・抗菌作用
能書・説明
桔梗 キキョウ
一属一種で、日本全土、朝鮮半島、中国東北部などアジアの広い地域の日当たりの良い山野の草原に自生し、また家庭でも栽植する多年生草本で、茎は高さ40~120cm、花は単生で7~9月頃茎の先に数個総状に付け、柄があって上向きに咲く。生薬としてはキキョウPlatycodon grandiflorum(Jacq.)A. De Candoleの根が用いられる。北海道、長野県、新潟県など国内でも生産があるが、多くは中国からの輸入。栽培は播種と株分け法があり、薬用として生薬を収穫する目的であれば播種による方法が一般的である。地域によっては花を切り花として利用され、良く花卉園芸を目的としての栽培がある。収穫時期は根皮が良く剥がれ易い6月下旬から7月下旬を適期とする。収穫した根は水洗いし、根皮を剥いで陽乾する。皮を付けたままのものは乾燥が不充分となり、カビの発生を起こすので、火力乾燥が行われる。根は肥大し、色が白く、質が堅実で、コルク皮の付いたえぐみの多いものを良質品とする。『薬徴』に「濁唾腫濃ヲ主治スルナリ。傍ラ咽喉痛ヲ治ス」とあり、化膿性の腫れ物を治し、同時に咽喉の痛みを治すと記述している。もともと、桔梗は「味は苦く、熱を瀉し、痰を除き、咳を治し、咽喉を利し、湿気を散ずる」薬能を有しており、これに伴う方剤に配合される生薬である。万葉集で山上憶良が詠んだ「萩が花尾花葛花撫子の花女郎花また藤袴朝顔の花」の朝貌はこの桔梗を指す。