名 称
蓮肉 (レンニク)
Latin Name
Nelumbis Semen
基 原
スイレン科ハスの種子
分 類
安神薬
中 医 学
清新益腎・健脾止瀉・益精固渋
用 途 等
下痢
薬理作用
平滑筋弛緩作用・ADHおよびALDHにおよぼす影響
能書・説明
蓮肉 レンニク
ハスはインドが原産で、ペルシャ、マレーシア、オーストラリアに分布し、わが国には紀元前に食用と仏教の目的で中国から渡来し、各地の水田で栽培されている他、栽培種が放置されて野生化し、池沼に生える多年生草本。現在、世界各地の池沼、水田で栽植、花の鑑賞、蓮根を採ることなどを目的に栽培される。地上茎はなく、地下茎は根茎で、水底の泥中に長く横走し、ところどころに節がある。根茎の節からは多くの鬚根と一枚の葉とを出している。8月頃開花する。花は根茎の節から出た長い花便の先に単生、大形で紅、白、その他の色を呈している。花の中心には二つの蜂の巣を上向にした様な大きな花托がある。雌蕊はその上面に多数存する。花弁が落下後、花托は生長、その中で雌蕊は発育して、楕円形の堅果となる。花托に15~30ケの堅果を付ける。この中に、1ヶの無胚孔種子があり、これを蓮肉と呼ぶ。生薬は完熟した果実を9~11月頃採取し、天日で乾燥、直ちに外面の硬い殻を切り落とし、蓮肉として天日で乾燥させる。現在、流通する蓮肉の基原種はハスNelumbo nucifera Gaertnerの種子が用いられる。中国湖南省、湖北省・福建省、江蘇省などから輸入される。気力を補う滋養品で、心を安らかにし、身体の衰弱、利尿、滋養、強壮などに単味で用いることがある。虚証を補い、下痢を止める作用がある。蓮肉を粉末にしてお粥で食し、精気の回復、精神を養い、精力を強め、老衰に良いといわれ、中国で重用される。