名 称
五味子 (ゴミシ)
Latin Name
Schisandrae Fructus
基 原
マツブサ科チョウセンゴミシの果実
分 類
固渋薬 化痰薬
中 医 学
斂肺滋腎・生津斂汗・滋精止瀉
用 途 等
咳や痰、体力低下時、易疲労感
薬理作用
鎮静鎮痙作用・鎮咳作用・鎮痛作用・抗胃潰瘍作用・肝障害改善作用・平滑筋収縮抑制作用(血管収縮抑制心臓の冠状動脈拡張など)・抗アレルギー作用・抗痴呆作用・抗酸化作用・抗血液凝固作用
能書・説明
五味子 ゴミシ
チョウセンゴミシSchisandra chinensis(Turcz)Baillonは本邦中部以北の山地、朝鮮半島、中国の遼寧省、黒龍江省、吉林省、河北省及びシベリア各地に同じ種類の植物が分布、原野に多く自生し、果実は“五味子”の名で古来各本草書に収載され、漢方薬に重用される天産物を代表する薬用植物である。長さ5~10mに達するつる性の落葉性木本。花期は5~7月、果期は8~9月。『和漢三才図会』『古方薬品考』に見られる「五味子数種アリ、其朝鮮産粒胡椒ニ似テ小サクテ、黒色デ、滋潤味酸ク微甘ク其核苦ク辛ク香キ者ヲ最上トナス…」など何れも朝鮮半島の生産物を特筆している。事実日本への輸入はかっては朝鮮半島特に南朝鮮からが主流を極めたが集荷人の減少から、近年の供給は中国東北地区に依存する。薬能に関して、『神農本草経』他多くの古典書に「咳して冒するものを主治す」「収斂性鎮咳にして兼ねるに治冒作用を有する温薬なり」「咳逆上氣を主り、渇を止め、煩熱を除く」「水毒の上衝を治す効がある、その結果として咳逆上氣を去り渇を治する、故に咳嗽がなくても使用することがある」など滋養強壮、体質虚弱、疲労倦怠感、脱力感、無気力、息切れ、動悸、多汗、口の渇き、咳、喘息、健胃、強壮、浄血、美肌など広範な利用の示唆が見られる。調製は10月頃果実が熟して深い赤色を呈して脱落する前に果穂を摘み取り、陽乾する。