名 称
大黄 (ダイオウ)
Latin Name
Rhei Rhizoma
基 原
タデ科ダイオウの根茎
分 類
攻下薬 清熱薬
中 医 学
攻積導滞・瀉火凉血・去瘀通経
用 途 等
実証タイプの便秘など
薬理作用
瀉下作用(下剤作用)・抗菌作用・向精神作用(自発運動抑制など)・腎機能改善作用・抗炎症作用・肝障害改善作用・免疫賦活作用・脂質代謝改善作用・変異原活性抑制作用・インターフェロン誘起作用
能書・説明
大黄 ダイオウ
中国西北部、主として青海省、甘粛省、四川省及びチベット等1700~4000mの高原地帯に自生し、又栽培が行われている多年生草本である。円柱形の肥大した根茎の底部から太い根を出す。地上部は高さ1.5~3m、茎は直立する。6~7月頃円錐花序を長く出す。日本への渡来は古く、正倉院薬物の中に納められており、既に800年代には薬用として使用されていたと類推する。単味で下剤に用いられる。『本草綱目』で、「その駿烈、快速なるを表示したものだ。陳きを推し新きを致す功力が、禍乱を勘定して太平を致すようなものだ。それが将軍の写ある所以…」と解説がある。敵(病気)を攻むる最先陣薬の「将軍」は甘草の「国老」が国(体力)を守るに対する表現。大黄は分類学上、掌葉大黄、唐古特大黄、薬用大黄の3系統種を主な薬用種として扱い、これらの何れかが生薬として収穫され、流通される。来歴は掌葉種系は1750年中国に分布していた種子をヨーロッパで播種、これに基づいて植物学者リンネがRheum palmatumと命名。唐古特大黄種系はある歴史旅行家が1870年代に青海省黄河流域を旅行中に見つけ、持ち帰り、植物園で播種、発芽させて、この植物に基づいて植物学者マキシモウイッチがR. palmatum var. tanguticumと命名。薬用大黄種系は1867年にフランスの駐在大使が四川省西部で採集した根茎をパリに持参し、これを植物学者バイロンが移植に成功し、R. officinaleと命名。