名 称
山梔子 (サンシシ)
Latin Name
Gardeniae Fructus
基 原
アカネ科クチナシの実
分 類
清熱薬
中 医 学
清熱瀉火・涼血解毒
用 途 等
胸苦しい、黄疸がある
薬理作用
鎮痛作用・瀉下作用(下剤作用)・胃障害抑制作用・利胆作用(胆汁分泌促進)・肝障害予防作用・血圧降下作用・脂質代謝改善作用(血液中の脂質量減少)・抗腫瘍作用・学習行動、性行動低下予防
能書・説明
山梔子 サンシシ
梅雨の頃になるとなんとも清楚な純白の花を開き、清潤な芳しい香りをただよわせるクチナシ、中国では“梅、蘭、百合、茉莉、桂、水仙、巵”と七香の一種として尊ばれ、香気ある植物を代表する。晩秋の頃、赤く熟した特徴のある果実を付け、花、果実とも鑑賞には恰好な低木である。フクリンクチナシ、ホソバクチナシ、コクチナシなどの品種が知られるが、薬用種の基原植物としては主にクチナシGardenia jasminoides Ellisが用いられる。高さ1~2mの常緑低木、花は6~7月に頂生する。本州の静岡県以西、四国、九州、台湾、中国中南部、インドシナに分布する。現在、流通品のほとんどは中国長江以南の湖南省、江西省、四川省、湖北省、広西省からの輸入に依存する。11月頃、外皮が黄褐色から赤黄色、内面が紅色になった果実を晴天が続く日を選び、蒸すか、沸騰した湯中に5~10分位浸し、数日間、天日で乾燥仕上げる。生薬としては小形で丸く、果皮が薄くて赤黄色が強く、苦味の強いものが良い。褐色や黒色に変色したものは避けるべきである。山梔子の供給が払底したとき、長さ5cmに達する水梔子と称する近似の商品が入荷、驚いたことがある。本草書で「染料に用い、薬用に用いられない」と言及しているもの。中国の各産地に分布する植物を精査、果実の大きさなど、形状を異にすることを解明、原植物にGardenia jasminoides Ellis var. longicarpa Xie et Okadaの学名を発表、別物であることを明示した。