名 称
柴胡 (サイコ)
Latin Name
Bupleuri Radix
基 原
セリ科ミシマサイコなどの根
分 類
理気薬
中 医 学
解表・解熱・疏肝解うつ・升挙陽気
用 途 等
みぞおちのつかえ感、みぞおちの緊張
薬理作用
中枢抑制作用(鎮静 鎮咳 鎮痛 解熱など)・抗消化性潰瘍作用・肝障害改善作用・抗炎症 抗アレルギー作用・ステロイド様作用・ステロイド剤副作用防止作用・脂質代謝改善作用・抗ストレス作用・インターフェロン誘起作用
能書・説明
柴胡 サイコ
伊豆の草原で採集されたミシマサイコは三島の薬種問屋に集荷され、東海道を旅して三島の宿に泊まる旅人達がみやげ物として買っていった。三島柴胡の名称の由縁が残る。植物名もミシマサイコBupleurum falcatumと名付けられている。高知、宮崎、群馬、茨城、静岡等の各県からの生産があり、栽培品が多用されるが、中国、韓国にも同属種が分布し流通がある。地域内で自国産を広く使用している代表的生薬である。それぞれにはエキス、成分含量においての特色があり、使用者の自由な選択がある。中国各地にはミシマサイコ属として30数種の分布を数へ、各省で採集するものを正品とするところもある。元々柴胡属の分類は複雑で、染色体数は日本国内でも、2n=20、2n=26、2n=32の3タイプに分類される。根茎は太くて短く、細根を付け、茎は直立し40~100cm、8~10月頃黄色の5弁花を開花。腐植土、火山灰土、砂質土で土の軟らかいところが適地。繁殖は種子で行い、新しいものを使用する。播種時期は3月下旬~4月中旬が適期。管理上、繁茂旺盛の時に2~3回、開花初期、蕾の頃に地上部を地際から70cm程度の所で切除する“摘芯”を行う。一年後の11月から収穫が行われる。柴胡特有なにおいがあり、わずかに苦さを感じるが潤いとしなやかさが鑑別のポイント。『薬徴』に「胸脇苦満ヲ主治スルナリ、傍ラ寒熱往来、腹中痛、脇下痞鞭ヲ治ス…」と指摘の通り、この症状を主訴とする漢方薬に配合される。