名 称
地黄 (ジオウ)
Latin Name
Rehmanniae Radix
基 原
ゴマノハグサ科カヤジオウなどの根
分 類
補血薬 清熱薬 補陰薬
中 医 学
清熱涼血・生津
用 途 等
循環器系の種々の症状、尿量の減少、むくみ。補血滋陰の常用薬
薬理作用
利尿作用・緩下作用・血糖降下作用・血流増加作用・血圧降下作用・免疫調節作用(マクロファージ細胞の活性化など)・変異原清抑制作用・抗腫瘍作用・性ホルモンヘの作用
能書・説明
地黄 ジオウ
地黄は『延喜式』に収載があり、『大和本草』に「…和地黄ノ上品ハ大和ヨリ出ツ唐ヨリ來ルニマサレリ大和ニ地黄村アリ多ク産スル」と記述、当時の生産物を高く評価しているが、古くから大和地方を代表する生薬として栽培、生産が行われ、“地道生薬”として名高い生薬である。『奈良県薬業史』に1735年に高市郡地黄村(現在の奈良県橿原市地黄町)、宇陀郡、十市郡で生産が行われている記録が残るが、現在の栽培は皆無、多くは中国、河南省懐慶地区、江蘇省、浙江省を主とし、韓国からの生産もある。薬用としての種類は古くから見られるアカヤジオウ系統とカイケイジオウ系統がある。現在の日本薬局方では両系統の根を用いることとし、そのまま乾燥したもの及び蒸したものを規定している。中将湯など、一般婦人病薬には必ず配合される。一般に補血、強壮、解熱、止血等に効果を有し、八味地黄丸、帰膠艾湯、四物湯、温清飲の各方剤では君薬となり、血虚、腎水を補い、体液を滋潤する作用があり、処方を代表している。原植物は多年生草本で高さ10~40cm、全株に灰白色の長い柔毛及び腺毛を密生する。根は肥厚して肉質、塊状で円柱形~紡錘形を呈し、淡橙黄色である。花期は4~5月。現在流通される地黄の多くは乾地黄、使用するに際し、評価上の特徴は通常の形状を有し、肥大して柔軟で、やや甘く、後に苦いものが良い。また、油性に富み、皮が薄く、断面に黒褐色で菊花紋が検察されるものを規準とされたい。