嘔吐、咳、下痢、手足の冷え

鎮静作用・解熱作用・鎮痛作用・抗痙攣作用・鎮咳作用・血圧下降作用・強心作用・鎮吐作用・胃腸運動に対する作用・抗消化性潰瘍作用・腸管内輸送促進作用・利胆作用・肝障害予防 改善作用・抗炎症作用・紫外線による皮膚障害抑制作用・プロスタグランジン生合成阻害作用

 乾姜 カンキョウ
ショウガZingiber officinale Roscoeの根茎を湯通し又は蒸した後、乾燥したもので、偏圧した不規則な塊状でしばしば分枝、分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し、長さ2～4cm、径1～2cmである。外面は暗褐色～黄褐色で、皺及び輪節がある。折面は褐色～暗褐色で透明感があり角質である。特異なにおいがあり、味は極めて辛い。横切片を顕微鏡で確認すると、皮層及び中心柱は柔組織からなり、維管束鞘で囲まれた維管束が散在する。柔組織中には黄色の油様物質を含む油細胞が多く見られ、柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの単晶を含み、でんぷんは糊化している。
『一本堂薬選』では「泄瀉乾嘔咳嗽ヲ療ジ、氣ヲ下シ胃ヲ開キ食ヲ進メ血ヲ止メ中ヲ温ム。寒冷腹痛、傷食吐瀉、痰ヲ消シ、反胃ヲ宿食ヲ消シ冷氣ヲ去ル・・」と生姜と異なる解釈を述べている。生姜に比して辛熱の力が強い、味の辛いものは心臓を亢進させ、血管を拡張して血行を旺盛にする。したがって、体内に濕感を生じ、又、消化管内、組織内における水分の停滞を除き去る。