名 称
大棗 (タイソウ)
Latin Name
Zizyphi Fructus
基 原
クロウメモドキ科ナツメなどの果実
分 類
補気薬
中 医 学
補脾胃・養営安神・緩和薬性
用 途 等
体の痛み、脇腹痛、ひきつれ
薬理作用
抗アレルギー作用・抗消化性潰瘍作用・抗ストレス作用・血液凝固抑制作用・鎮静作用・腎障害改善作用
能書・説明
大棗 タイソウ
漢方薬での配剤で重要な役割を担い、君薬としての役目を果たしているが、医薬品への応用というよりも食品としての利用範囲が広く、中国では一般家庭の食卓に馴染んでいる。栽培の歴史は古く、3000年以上前に遡る。棗は中国原産で、重要な栽培生薬とされている。現在の主要産地は中国河南省、山東省、河北省、四川省、山西省、河南省産のものが重用される。原植物ナツメZizyphus jujuba Miller var. inermis Rehderは中国東北部の南部地域~華北に自生し、又栽培される落葉性の小高木又は低木で高さ10mに達する。5~7月に短い集散花序を単一或いは2~8個密集して付け、9~10月果実は熟し、核果を作る。初め淡緑色で熟して暗紅色となる。大棗の漢方への使用目標として、木村長久先生は「大棗には滋潤の働きがある。故に血を和し、気を鎮める役目がある」と述べられ、大塚敬節先生は「甘い点では甘草に似て、急迫を治する働きがあるが、大棗は甘草に比し湿り気があり軟らかい。滋補の効がある。一種の滋養剤である。また、激しい咳嗽に用いられる。それは気道を滑らかにして急迫を治する働きがあるからだ。」と解説される。生薬としての使用は外形が大きく、紫紅色で中果皮の果肉が厚く、果核は小さく、味は甘く、咀嚼して粘液性に富み、潤いを持つものを良質とする。長棗群、円棗群、蜜棗群の中から、大泡棗、大灰棗、晋棗、紅棗、梨棗、小棗、馬棗など、産地や形状で名称が付けられ、流通がある。