名 称
川芎 (センキュウ)
Latin Name
Cnidii Rhizoma
基 原
セリ科センキュウの根茎を湯通ししたもの
分 類
駆瘀血薬
中 医 学
活血行気・去風止痛
用 途 等
活血行気、去風止痛
薬理作用
中枢抑制作用(運動抑制 鎮静 鎮痛睡眠延長など)・末梢血管拡張作用・抗血栓作用・鎮痙作用・腸血流量増加作用・皮膚温度上昇作用・免疫賦活作用・放射線障害防護効果
能書・説明
川芎 センキュウ
川芎は日本で栽培されるセンキュウCnidium officinale Makinoの根茎を秋期に収穫し、通例、湯通しして乾燥させ調製したもの。
寺島良安は『和漢三才図絵』の中で、奈良県宇陀郡で栽培が始まった事を記録、更に1729年に開設された森野薬園に残る『大和國産業御書上帳(1736年)』にも宇陀郡で栽培していたことも記述されており、本邦での栽培の開始時期と考えられる。北海道には明治36年に山形県から原種を導入し、道南の伊達町で試作されたのが始まりであるとの報告が残っており、多分この頃からかと類推される。以後、北海道が大々的な産地として発展している。8~9月頃、枝先に複散形花序を頂生し、多数の小さい花を付ける。生薬の性状は不規則な塊状(瘤状結節・団子状)の重い固塊を呈し、長さ5~10cm、径3~5cm、外面は灰褐色から暗褐色、重なり合った結節があり、その表面にこぶ状の隆起がある。縦断面は辺縁が不整に分枝し、内面は灰白色から灰褐色、半透明で、質は緻密、角質堅硬で、におい、味とも強いものを良質品とする。収穫は植え付けた翌年の11月上中旬に茎葉が黄変する頃を見計らって行う。生薬に用いるため集められた塊茎は洗浄機で洗う。掘ったままで放置すると土や石が付いた状態でなかなか落ちにくくなるので、直ちに洗浄することがコツ。根茎が大きく丸味を帯び肉質膨れるものを良品とし、念珠状をなすものおよび痩せたものはいずれも好まない。