名 称
沢瀉 (タクシャ)
Latin Name
Alismatis Rhizoma
基 原
オモダカ科サジオモダカの塊茎(通例は周りの皮を除いたもの)
分 類
利水薬
中 医 学
利水・滲湿・清熱
用 途 等
排尿回数過多か減少、胃のポチャポチャ音、めまい、口渇
薬理作用
利尿作用・循環器系への作用(血圧降下 血管収縮抑制、心臓の冠状動脈血流量増加など)・血液凝固抑制作用・抗脂肪肝作用・コレステロール血症の改善作用・性ホルモンヘの作用・免疫賦活作用・尿路結石予防的作用
能書・説明
沢瀉 タクシャ
「沢水の傾瀉する如く、小便を出すとの意味がある」と古事に伝わるが、尿利の減少或いは頻数、胃内停水、冒眩、口渇など、水毒を利尿により逐し、利尿効果を大いに期待する代表生薬である。『神農本草経』『重校薬徴』など、各書の解説は利尿・利水を主体とした薬能への応用が論述され、特に五苓散、猪苓湯において猪苓に力を添えて利水効果を大にする活用を説いている。原植物はサジオモダカAlisma orintale Juzepezukの塊茎を用い、通例周皮が除去されている。アジア東部、日本でも北海道、東北地方の一部に自生し、また栽培される沼沢生の多年生草本。高さ50~100cm。地下茎はきわめて強く、丈夫な細根を長く伸ばし、結節した小芋状に肥大し球形の塊茎に生長する。花期は6~8月。日本では古く各地に産し、戦前戦後の一時期に長野県産、北海道産を重用した時代があるが、近年では殆ど中国四川省、福建省及び一部韓国からの朝鮮沢瀉など輸入品で需要がまかなわれている。栽培は水田を利用、開花を避け、徹底的に花茎の柔らかいうちに根元から摘み取る。根茎を良く肥大させ、品質の良いものの生産を目的とするためである。11月上旬~下旬に枯れ始める頃、収穫する。生薬は肥大し充実して重質、肉白く、新しいものが好まれ、断面が淡黄白色を呈しているものを良品とする。赤褐色に変じたものは良くない。主要成分アリソール類も品質評価の対象、川沢瀉は建沢瀉に比べ、成分含有が高い傾向にある。