名 称
麻黄 (マオウ)
Latin Name
Ephedrae Herba
基 原
マオウ科シナマオウなどの茎
分 類
辛温解表薬
中 医 学
発汗解表・宣肺平喘・利水
用 途 等
喘息時の呼吸困難、むくみ、悪寒、関節痛
薬理作用
中枢興奮作用・発熱作用・交感神経興奮様作用・鎮咳作用・抗炎症 抗アレルギー作用・血糖降下作用・コレステロール上昇作用・腎機能改善作用(血中の尿素窒素減少など)・抗腫瘍作用・抗ヒスタミン作用・降圧作用
能書・説明
麻黄 マオウ
『神農本草経』の中品に収録され、その薬能は「中風、傷寒、頭痛、温瘧には表を発し汗を出すを主どる。邪気の気を去り、欠逆上気を止め、寒熱を除き、堅、積聚を破る」と収載される。先人は「根及び節を除き用ふべし、節を除くは厄介なることなれども出来るだけのぞきたきものなり・・表裏の水を逐ふ、故に汗を發し熱を解し喘を除き咳を鎭め、痛みを去り惡風寒を止め水気を消す・・」との言及がある。鎮咳去痰薬、気管支拡張薬、鼻炎用薬、解熱鎮痛消炎薬とみなされる麻黄剤を主とした漢方薬に配剤される。中国北部の河北省、山西省から内蒙古にかけての黄土地帯に自生する草本状の常緑小低木である。地上部の茎を晩夏に採取し、乾燥させたものを薬用として用いる。薬用種としては草麻黄、中麻黄、木賊麻黄があるが、地域的に幾つかの種類が分布し、薬用に用いられているが、品質的には草麻黄を重用している。草麻黄Ephedra sinica Stapfは遼寧省、河北省、河南省、山西省、陝西省、内蒙古などの各地に分布し、多年生草本状の小低木で高さ20~40cm、花期は5月。草麻黄が産出量が多く流通される。生薬の横切面は円形、楕円形、周辺部は黄緑色~灰緑色を呈し、中心部には赤紫色の物質を含む。わずかににおいがあり、噛むと渋くて苦く、舌に麻痺を覚える。他種とは茎の節間が長く、葉の枚数が2枚、クチクラ瘤の形が山型から半球状、配列が2~3列、茎の横切面が見られる形成層環が強い現状を呈することなど明瞭な特徴がある。