名 称
半夏 (ハンゲ)
Latin Name
Pinelliae Tuber
基 原
サトイモ科カラスビシャクの塊茎
分 類
化痰薬 化湿薬
中 医 学
和胃止嘔・燥湿去痰・散結消腫
用 途 等
胃部ポチャポチャ音、吐き気、のぼせ
薬理作用
抗ストレス作用・鎮静作用・鎮痛作用・鎮吐作用・鎮痙作用・唾液分泌亢進作用・抗消化性潰瘍作用・腸管内輸送促進作用・免疫賦活作用・抗アレルギー作用・抗ウィルス作用・血圧降下作用・ホルモン様作用
能書・説明
半夏 ハンゲ
路傍、田畑の畦道、桑畑など、日本各地の至るところに繁殖し、農業に携わる関係者からは厄介者扱いをされ、嫌われる雑草である。もとは中国に端を発する帰化植物であり、いつ頃入ったか、確たる証明は無い。塊茎のてっぺんの窪みを人の臍或いは臍の付いた栗にも似ているところから“ヘソクリ”の異名或は神奈川県三浦地方で農家のおばあちゃんが畑を耕し、雑草を抜く傍らコロコロ出てくるカラスビシャクを採集、これを乾燥、調製して仲買人に売ってヘソクリとした話もある。中国、朝鮮半島、日本に広く分布する高さ15~40cmの多年生草本。5~8月頃塊茎から長さ25~35cmの花茎を出し、サトイモ科の特徴である仏炎苞を付ける。コルク層を除いて乾燥した塊茎を生薬する。『神農本草経』下品に記述され、当時から応用されていたことが知られる。薬能としては悪心、嘔吐を主治し、併せて胃内停水、腹中雷鳴、心痛、咽喉痛、咳等を治す重要な生薬である。半夏と生姜は同じ嘔を治し、その効力は近いが、水飲なくして嘔するものには生姜を、水飲あって嘔するものには半夏を用いる。両者は一緒に用いられることが多い。中国では半夏には多くの修治が行われる。四川省の遂寧、達県を主産地とし、生産は塊茎の肥大する7~8月頃に採集し、泥砂を洗った後、ヒゲ根と外皮を去って、陽乾又は火熱乾燥する。ハンゲの特徴は上部にくぼみがあること、径より高さの方が短いことである。