名 称
蒼朮 (ソウジュツ)
Latin Name
Atractylodis Lanceae Rhizoma
基 原
キク科ホソバオケラなどの根
分 類
化湿薬
中 医 学
燥湿健脾・去風湿
用 途 等
水分代謝の異常など
薬理作用
抗消化清潰瘍作用・利胆作用(胆汁量増加 腸管運動亢進)・血糖降下作用・電解質代謝促進作用・性ホルモン増加作用・抗腫瘍作用・平滑筋弛緩作用・抗炎症作用・中枢抑制作用・酸素欠乏活性作用
能書・説明
蒼朮 ソウジュツ
『傷寒論』『金匱要略』など古来の漢方医学書を出典とする五苓散など著名な薬方中に配合され、消化管や皮膚組織におこる水分代謝不全に伴う尿利減少、腎機能障害による尿利異常を主体に浮腫、身体疼痛、利尿、健胃、整腸を目標として、応用される。“朮”の名称で表した書もあるが、陶弘景は『神農本草経集注』に「白朮は葉が大きく、毛を有し、分枝する。根は甘く少し油脂を持ち、丸・散に用いる。赤朮は葉は細く、枝分かれしない。根は小さく油脂を多く有し、煎じて用いる・・」と形質的に2種あることを論じている。つまり赤朮は蒼朮を指しているものと理解できる。以後の本草書においても基原、性状、産地、薬能の相違点に触れ、双方の使い分けを明記している。過去市場に流通した蒼朮、白朮としての生薬は種々のものが確認され、使い分けに混乱があった。幸い、植物分類、植物化学の研究が進み、これらの状況も解明され、現在、蒼朮として流通している生薬の原植物はホソバオケラを主とし、中国湖北省で生産されているものが中心である。評価の一つに白色結晶の折出がある。主要の精油成分β-eudesmol hinesolの混合物がその正体、この白色結晶が出るものほど良質品と評価される。植物は華中の東部地域に分布、多年生草本で高さ30~80cm。8~10月にかけて頭状花序を頂生する。根茎は年々充実し、年を経る毎に成分も増え、品質は良くなる。通常3~4年で収穫を行う。