名 称
人参 (ニンジン)
Latin Name
Ginseng Radix
基 原
ウコギ科オタネニンジンの根
分 類
補気薬
中 医 学
大補元気・安神益智・健脾益気・生津
用 途 等
全身の機能低下、胃腸障害、食欲不振、疲労倦怠
薬理作用
中枢興奮作用・中枢抑制作用・抗ストレス 抗疲労作用・強壮作用・男性ホルモン増強作用・脳血流量増加作用・抗炎症作用・血圧降下作用・血糖降下作用・脂質代謝改善作用・抗潰瘍作用・抗腫瘍作用・抗老化作用・免疫賦活作用・肝障害抑制作用・向精神作用
能書・説明
人参 ニンジン
御種人参と書いてオタネニンジンとなった。朝鮮人参、薬用人参、高麗人参と称されるが、野菜のニンジンと区分けしてこのような名称が付けられたとも言う。朝鮮半島北部、中国東北部、ロシア沿海州を原産とする。6月上旬頃花茎が伸び小花を10~数十個付け、7~9月頃、赤い果実に熟す。陰地性の宿根草で、栽培が難しく、一に土地、二に苗、三に肥培管理と言われ、乾燥冷凉な気候を好み、環境、土質に対しては極めて順応性の高い植物である。ニンジンは陰地植物で、日光の直射と雨滴を防ぐ為に小屋掛けが必要で、特に夕日を嫌い、播く床は予め西日が入らない方向とし北側を高く、南側を低くした片屋根式の日覆いの小屋を作る。10月中旬に定植、萌芽時、2年目、3年目、4年目と数を減らしながら間引きをし、5~6年目に収穫する。日本での栽培は1728年幕府の行政業務として、人参の種子を日光で播種、栽培に成功している。幕府は増殖した種子を「御種人参」と称して諸大名に分け与え、栽培が拡がった。後年、信州、会津、雲州の三ヶ所が残り、今も受けついで栽培が続けられている。生薬は類白色で太く潤いがあり、重質で、味甘く、後わずかに苦いものを良品としている。尚近年残留農薬も規格値が設定され管理されている。中国では最も古くから用いられる伝統的中葯で“百草之王”とされる。胃の衰弱、痞鞭に伴う新陳代謝機能の低下等に伴って起きる食欲不振、悪心嘔吐、消化不良、下痢などに応用される。