名 称
芍薬 (シャクヤク)
Latin Name
Paeoniae Radix
基 原
ボタン科シャクヤクなどの根
分 類
補血薬
中 医 学
清熱涼血・活血去瘀
用 途 等
筋肉がかたくなってひきつれたもの、腹痛、頭痛
薬理作用
鎮静 鎮痙 鎮痛作用・末梢血管拡張作用・抗炎 抗アレルギー作用・免疫賦活作用・胃腸運動促進作用・抗潰瘍作用(ストレス潰瘍抑制)・抗変異原性作用・血液凝固抑制作用・ホルモンヘの作用・筋弛緩作用
能書・説明
芍薬 シャクヤク
中国の江蘇省以北、満州、蒙古、シベリアの極東南部及び朝鮮半島の京畿道以北が原産である。特に中国での歴史は古く、『山海経』『詩経』『神農本草経』と言った本草書には必ず出典があり、「…川谷及び丘陵に生ずる…」の記述は野生に産していたと解釈される。1090年の『本草別説』には栽植して用いる事を記し、『本草綱目』『群芳譜』『秘伝花鏡』には数十種の栽培品種が登載されている。中国では“薬、牡丹、梅、蘭、菊、蓮”を歴史上の六大名花として文人墨客が賛美し、花が珍重され、鑑賞用に栽培が行われている。園芸品種としては3000種以上、花弁の色、形、雄蕊の発生位置等で細かく分類されている。しかし、薬用種としては白花で青茎系統の品種(アンドン)が用いられ、茎に三花をつけ、花弁が5~20の重弁、所謂「大和薬」と伝承されるものである。雄性不稔系で種子ができないので、栽培は栄養繁殖で行われる。多年生草本で高さ50~80cm。根は肥厚した紡錘形、薬特有の強い香りがある。6月頃径約10cmの大形の花を付ける。花弁は白色、紅色が主、9~13片、雄蕊は黄金色で多数、雌蕊は3~5。果実は袋果。通常4~5年目の10月に収穫となる。近年、この大和薬の生産も減少し、これに代わり中国浙江省、安徽省、四川省、貴州省、山東省、韓国慶尚北道、全羅南道、京畿道等からの輸入品が隆盛となっている。鎮痛鎮痙薬、婦人病等を主訴とした漢方薬に欠かせない生薬である。