009:小柴胡湯

レビュー

7味で構成され、主薬の柴胡の主成分(サイコサポニン)の抗炎症効果が期待できる柴胡剤の基本処方。
慢性肝炎の治療薬として有名だが、風邪の引き始めには桂子蕩などで、裏に進んだものは小柴胡湯で、風邪の中期以降に見られる、
発熱と悪寒を繰り返す状態が小柴胡湯の適応。
胸部や上腹部の炎症性疾患にもよく用いられる。
五臓の中では肝を担当。
胸脇苦満 (季肋部の不快感、抵抗、圧痛、詰まった感じ)、往来寒熱を目標に使用。
口苦、口粘、めまい、悪心嘔吐、食欲不振、微熱、舌白苔を訴える人に良い。
柴胡、黄岑のコンビは胸の詰まった感じを治す清熱。半夏、人参の組み合わせは心下(みぞおちあたり)の湿を去る。(水を捌く)
生姜、大棗、甘草の組み合わせは胃を和す。胃の薬として強い薬にも組み合わせるが、他の吸収をよくする目的もある。
発汗、催吐、瀉下を適用できない病態を適応とする和解剤に分類され、「三禁湯」と呼ばれる。

構成

小柴胡湯柴胡7黄岑3半夏5人参3大棗3生姜1甘草2
I.体力中等度で上腹部がはって苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症:
諸種の急性熱性病、肺炎、気管支炎、感冒、胸膜炎・肺結核などの結核性諸疾患の補助療法、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、産後回復不全

II.慢性肝炎における肝機能障害の改善
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