114:柴苓湯

レビュー

小柴胡湯と五苓散を合わせたもの。
夏の風邪で裏に入った小柴胡湯の証で水を摂りすぎて下痢をした場合に五苓散を加えるところから出来た処方。
口渇、尿量減少などを訴える暑気あたりに使われてきたが、近年、腎疾患、肝疾患に対する効果が認められ、
ステロイド様の免疫調整作用のほか、血小板凝集能抑制作用があるとの報告があり、
ネフローゼをはじめ抗リン脂質抗体価が高い不育症(習慣流産)の治療に用いる。
慢性腎炎、ネフローゼ、慢性肝炎、肝硬変、メニエール症候群、アレルギー疾患、は不育症(習慣流産)や妊娠高血圧などの治療にも応用。

※リン脂質に対する自己抗体。実はリン脂質そのものを認識する抗体ではなく,リン脂質に結合する血漿蛋白に対する抗体。
抗リン脂質抗体と不育症,血栓症との関係は広く知られており,特に,後天的な血栓傾向の原因としては,最も重要。
SLE などの基礎疾患がなくても抗リン脂質抗体が陽性ならば流産しやすいことが解明され,抗リン脂質抗体は流産の原因として広く認知されている。

構成

小柴胡湯柴胡7半夏5黄岑3人参3大棗3生姜1甘草2
五苓散桂皮1.5猪苓3沢瀉4茯苓3蒼朮3
柴苓湯柴胡7半夏5黄岑3人参3大棗3生姜1甘草2
桂皮2猪苓3沢瀉5茯苓3蒼朮3
吐き気、食欲不振、のどのかわき、排尿が少ないなどの次の諸症:
水瀉性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、むくみ
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