017:五苓散

レビュー

利水、化湿のメインを集めた感じ。水の流れをよくする明快な処方と思う。
桂皮は利水ではないが、桂皮を除いた四苓湯というものより、水と気が連携していることを示す如く五苓散の方が強力。
浮腫状態では利尿、脱水状態では抗利尿作用を発揮する。(利水)
なので、浮腫むように水は余っているが、口が渇くような、水の偏在に効果的。二日酔は典型例。
夏バテも水を摂っても、活かせてないことが多いので使えると思われる。
細胞膜上の水透過性に関係するアクアポリン(水チャンネル)の阻害作用を有する。
頭痛、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、めまい、浮腫などを伴う。
水を捌くので夏風邪の下痢に、小柴胡湯に加えて使われる。(柴苓湯)
口渇、尿量減少のあるときに用いられる。
二日酔の適応あり。(半夏瀉心湯・茵蔯五苓散・黄連湯)

構成

五苓散桂皮1.5猪苓3沢瀉4茯苓3蒼朮3
口渇、尿量減少するものの次の諸症:
浮腫、ネフローゼ、二日酔、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病
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